豊かに幸福になる道 幸福三説 惜福・分福・植福

2018年4月28日土曜日

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幸福三説



小説家である幸田露伴さんが、幸福三説として述べられた話を紹介したいと思います

幸田露伴さんは明治から昭和まで活躍された小説家で、代表作に『露団々』、『五重塔』、『運命』などがあります

彼の書いたものに『努力論』というものがあります

これは幸田露伴さんの考える幸福論とも言うべきもので、運命で幸不幸が決まるのではなく、自助努力によって、幸福となっていくことを述べています

占いなどからすると、人の運命はあらかじめ決められているように思い込んでしまいがちですが、本人の努力によって、道は切り開いていけるものだという考えです

この『努力論』は青空文庫で無料で読むことが出来ますので、興味がありましたら読んでみられるのがいいでしょう

http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/4331_42264.html

ただ難しい言葉も多用されているため、現代の人には読みずらいところもあります

この書の中で、幸田露伴さんは幸福三説を唱えています

それは惜福・分福・植福の三つを言います


1、惜福



惜福というのは、福を惜しむという考えです

与えられた福を大切に思い、無駄使いや散財をせずに、惜しむ気持ちを持つことです

与えられているものに感謝せず、当たり前に思う心では、福は逃げてしまうという事だと思います

買った物であっても、それを大切に扱うことで、長く使えて、その分無駄な出費を抑えることになるでしょう

大事に扱わない人は、物を壊したり無くしたりして、また買う羽目になるなど、無駄な出費が増えていきます

今置かれている環境の中で、ありがたいと感謝できないでいると、足らざるところばかり見て、不平不満が心に満ちるようになっていくので、ますます足りない状況が現実化していきます

惜福とは今あるものに感謝して、大切に扱うという事でしょう


2、分福



次の分福について紹介していきたいと思います

分福とは、福を他の人にも分け与えるというものです

たとえば、自分の畑でスイカが実って取れたとします

そのスイカをすべて自分のものにするのではなく、一部は切り分けて、隣人などに分け与える事を分福と言います

これは仕事においてもあることでしょう

仕事をしていて、複数の人がかかわったにも関わらず、手柄を自分一人のものにしようとする人がいるでしょう

そうした人は分福が出来ない人で、結局は人が離れていき、福も逃していきます

部下の手柄を横取りしてはいけませんし、上司はなるべく部下を引き立ててあげて、自分の成果でも、部下に分けるように分福していくと人望が出てきます

また部下であっても、自分の成果を独り占めせず、上司などの助けがあって成功できたという形に持っていけば、出世もしやすいでしょう

豊臣秀吉にしてもそうした事を意識的にしていたようです

毛利攻略を秀吉は命じられて行っていたのですが、ほぼ攻略がなった段階で、自分だけでは出来ませんと言って、上司である織田信長に助けを求めています

実際には秀吉だけで毛利を倒せたでしょうが、最後の成果を織田信長に献上しようと考えたのでしょう

そのように、部下であっても自分の手柄を独り占めせず、上司や周りの同僚のおかげで出来たのだとしていけば、人望が出て出世していくことでしょう

周りにも福を分けていくという考えは、このブログで述べています愛の考えに通じるものがあるでしょう

愛は人に与えることで、自らに返ってきます

人に向けた愛は、いつか回りまわって、自分へと返ってくるのです

分福というのも、そうした愛の法則に通じていて、福を分け与えると、いつしか自分へと戻ってきて受け取れます


3、惜福と分福にそれぞれ優れた偉人



この惜福と分福について、歴史上の人物として、豊臣秀吉と徳川家康を露伴さんはあげています

徳川家康は、質素倹約家として知られます

家康はいつも麦飯を食べていたのですが、それを見かねて家臣が白飯を入れてつくると、家康に叱責されたと言われます

その理由は「主が進んで倹約すれば、いくらかを戦費にまわせるし、百姓たちもいたわることができよう」とのことでした

また天下を取った後に、懐紙が風で飛ばされた時には、慌てて庭先まで取りに行ったといわれます

そのように贅沢を敵として、質素倹約に生きた家康は、惜福の精神を持っていたと紹介されます

豊臣秀吉は、ご存知のように、部下に対してたいへん大盤振る舞いする人でした

ご自身も金の茶室を作るなど、豪華なところをもっています

部下への気前よく褒美を振る舞うところからして、露伴は、秀吉を分福の性質のあるものとして紹介しました

このように、徳川家康は惜福を、豊臣秀吉は分福を、それぞれ持っているのですが、もう一方の性質は持ち合わせていなかったと指摘します

つまり、徳川家康は惜福の精神を持っていましたが、分福の精神は少なかったと言えます

逆に豊臣秀吉は、分福の精神を持っていましたが、惜福の精神が少なかった人でした

このように、普通は惜福の精神を持っていると、分福ができず、分福の人は、惜福が足りないところがあります


4、植福



つぎに幸田露伴は、植福についても述べています

植福とは、将来の子や孫のために、植樹していくように福を将来のために植えていくものです

現代の私たちが、快適な生活をおくれているのも、過去の人たちが、少しでも将来をよくしていくために活躍されたからだと言えます

明治維新においても、このままでは日本が列強の植民地となり、悲惨なこととなると憂えた志士たちが、命をはって維新を成し遂げたからこそ、日本は発展をとげてきました

卑近な例でいえば、暑い日が続いていますけど、私たちはエアコンがあることで、快適な温度で暮らせています

そのためには、電気の発電方法を開発した人、電気の利用を考えた人、電気の送電方法を発明した人、エアコン自体を発明した人など、色々な人の努力のもとで成り立っています

こうした電気製品は作られてすぐに世の中の役にたつでしょうが、将来にしか成果の得られないものや、将来のために残しておくべきものというのがあるはずです

そのように、現在の事だけではなく、将来の子孫のために植えておくべき福というのが、植福の考えです

幸田露伴さんは、この惜福、分福、植福が、人々の幸福のためには必要だと説かれています

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