生きていると、この世のさまざまなことで心が揺れます。誰かの一言が気になって眠れなくなったり、人からどう見られているかが頭を離れず、やりたいことに手をつけられなかったり。私たちの心は思っているよりもずっと繊細で、外からの風をすぐに受け取ってしまいます。世間の評判、家族や友人の反応、まだ会ったこともない人の視線まで、私たちは無意識のうちに気にして生きています。それ自体は決して悪いことではありません。人とのつながりの中で生きているからこそ、私たちは互いを思いやることができます。けれど、その気配りが行きすぎると、自分が何をしたかったのかが見えなくなっていきます。
自分は何をすべき人間なのか。何のために生まれてきたのか。その問いへの答え、つまり自らの使命を忘れてしまっていたり、自覚が薄くなっているとき、人は世の風潮に流されやすくなります。みんながそちらへ向かうから、自分もそうしておこうと考える。誰かに反対されたから、やめておこうと引き下がる。気づけば、自分の足で選んだ道ではなく、まわりが敷いた道を歩いている。そういうことが、人生では本当によく起こります。
使命は航海の進む方向を教えてくれるもの
使命とは、船が向かうべき先を示してくれるものです。私はよく人生を一艘の船にたとえてお話しします。私たちはそれぞれ自分の船に乗って、生まれてから死ぬまでの海を渡っていきます。海はいつも穏やかとは限りません。突然の嵐に見舞われることもあれば、何も見えない暗闇の中を進まなければならない夜もあります。そんなとき、自分がどこへ向かっているのかを知っているかどうかで、船の進み方はまるで変わってきます。
向かう先がはっきりしている船は、たとえ波に大きく揺さぶられても、姿勢を立て直してまた前へ進めます。嵐が過ぎ去るのを待つあいだも、心のどこかが落ち着いています。やがてこの夜が明ければ、また自分の目指す港へ近づけると分かっているからです。けれど、向かう先を見失った船はそうはいきません。風が吹けばその方向へ流され、波が来ればその力に押されるまま、ただ漂うしかなくなります。どれだけ懸命に櫂を漕いでも、進んでいるのか戻っているのかさえ分からない。世間の評判や人目に揺さぶられている時の私たちは、まさにこの漂う船によく似ています。
苦難の時こそ、使命を見直す時
では、いつ自分の使命を思い出せばよいのでしょうか。私は、苦難に直面した時、人生で問題が起こった時こそ、その時だと感じています。物事が順調に流れているとき、人はあまり立ち止まりません。流れに乗っているのですから、わざわざ自分に問いかける必要を感じないのです。けれど、壁にぶつかったとき、思うようにいかなくなったとき、私たちははじめて足を止め、自分自身を見つめ直します。苦しみには、そういう働きがあります。つらい出来事は、私たちを揺さぶることで、忘れていた問いの前へもう一度連れ戻してくれるのです。
世間の声に襲われ、心が揺れ動かされている。そんな時こそ、自分に問いかけてみてください。自分は何をすべき人間なのか。自らの使命とは何なのか。その答えは、難しい言葉で語られるものではありません。あなたが何をしているときに時間を忘れるか。どんな人を助けたいと感じるか。子どもの頃から心が動いた場面はどんなものだったか。そうした小さな手がかりの中に、あなたの向かう先を教えてくれるものが隠れています。それはちょうど、夜空に浮かぶ北極星のような目印です。空のあちこちの星は時とともに位置を変えますが、北極星はいつも同じ方向にあって、進む道を教えてくれます。あなたの使命も、外の状況がどれだけ変わっても動かない、心の中の目印になります。
使命感が、あなたと周囲を変えていく
確かな指針を得られたとき、私たちは荒波を乗り越えて、目標へと進んでいけます。不思議なもので、自分のやるべきことがはっきりすると、同じ苦難でも受け止め方が変わります。以前なら立ちすくんでいたような出来事に対しても、これは自分の進む道の途中で起きていることだと思えるようになる。問題そのものが消えるわけではありません。けれど、それに向き合う自分の側が、確かな力を取り戻していくのです。
そして、その変化はあなた一人にとどまりません。自分の使命に目覚めた人は、迷いの少ない歩き方をします。その姿は、まわりの人にも静かに伝わっていきます。何かに本気で取り組む人を見ると、私たちはなぜか勇気をもらいます。あなたがあなたの使命を生きはじめると、それを見た誰かが、自分も自分の道を歩いてみようと思う。使命感は、あなたを変えるだけでなく、周囲をも変えていく力を持っています。だからこそ、心が揺れている今この時を、自分を見つめ直すきっかけにしてほしいのです。
今日からできること
一つ、心が揺れた出来事を書き出す。今日、誰かの言葉や視線で心が動いた場面を一つ思い出し、紙に書いてみましょう。何に揺さぶられやすいかが見えてきます。
一つ、時間を忘れる瞬間を思い出す。これまでの人生で、夢中になって時間を忘れたことを三つ挙げてみてください。あなたの向かう先のヒントがそこにあります。
一つ、苦難を問いに変える。今ぶつかっている問題があるなら、なぜこれが今の自分に起きているのかと、責めずに静かに尋ねてみましょう。
一つ、自分の北極星を一文にする。「私は〜のために生きたい」という形で、自分の進む方向を一文で書いてみてください。完璧でなくてかまいません。
一つ、小さな一歩を今日のうちに踏む。その一文に近づく行動を一つだけ選び、今日中にやってみましょう。漂う船は、櫂を一度漕いだ瞬間から進みはじめます。
このブログでお伝えしているのは、魂の旅路への入口となる話です。
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ブログには書けない霊的な実践も、ここでお話ししています。
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