ニュースを開けば、心が痛むような出来事が毎日のように流れてきます。理不尽に傷つけられた人がいて、報われないまま苦しんでいる人がいて、なぜこんなことが起こるのかと声を上げたくなる。世の中の悲しみや闇に触れたとき、胸の奥に憤りが湧いてくるのは、あなたの心がちゃんと生きている証だと私は思います。冷たくなっていない心だからこそ、痛みに反応するのです。
ただ、その憤りをどう扱うかで、自分の生き方も周りの空気も変わっていきます。以前、私のもとにひとつのチャネリングメッセージが降りてきました。世の中の暗さに心がざわつくときに、何度も読み返してきた言葉です。少し長くなりますが、まずそのメッセージをそのままお伝えします。
降りてきたメッセージ
この世というのは薄暗い洞窟のような世界に見えます。
その薄明かりの中で、人は手探りをして歩んでいます。
無明という真理の見えない状態で生き、この世の悲しみや不幸が何故起こるのか知らずに生きます。
それゆえ世の中は、暗く不合理なものと感じます。
ときおり、洞窟の外に光り輝く世界のあることを伝える者もいます。
ですが、暗き洞窟の中では、暗く冷たい現状を嘆き悲しむ声がこだまします。
どれほど闇を嘆き、暗さと寒さを声高に叫び訴えようとも、ますます世は暗くなるばかりです。
明かりを灯し、人々に暖かさを伝えるものによって世は光を増します。
はじめは小さな光が、やがて人々へと伝わり、より広く照らし出せます。
嘆く声は、なぜ世を暗くするのか
このメッセージを受け取ったとき、私が一番考えさせられたのは「どれほど闇を嘆こうとも、ますます世は暗くなるばかり」という一節でした。一見すると厳しい言葉です。苦しんでいる人が声を上げてはいけないのか、と感じる方もいるかもしれません。けれど、メッセージが言っているのはそういうことではないと私は受け取っています。
暗さを叫ぶ声には、不思議な伝わり方があります。誰かが怒りや嘆きを大きく発すると、それを聞いた人の心にも同じ温度の感情がうつっていきます。SNSで強い言葉が広がっていく様子を思い浮かべてみてください。最初はひとりの嘆きだったものが、共感とともに増幅し、やがて空気そのものを重くしていく。闇を指さして叫ぶほど、人はその闇のほうばかりを見るようになります。光のありかからは目がそれていくのです。
嘆きそのものが悪いわけではありません。痛みを言葉にすることは、その人にとって必要な癒しの過程です。問題は、嘆くだけで止まってしまうこと。批判と怒りだけで一日が終わると、世界はますます暗く感じられ、自分の無力感も深まります。洞窟の壁に向かって寒さを訴え続けても、洞窟は暖まらない。メッセージはそのことを静かに教えてくれています。
小さな光を灯すという選び方
では、闇に憤ったとき、私たちは何ができるのか。メッセージは答えをはっきり示しています。明かりを灯し、暖かさを伝えること。それも、はじめは小さな光でいい、と。
大きなことをする必要はありません。世の中の不正を一人で変えようとしなくてもいいのです。たとえば、満員電車で疲れた顔の人に席をゆずる。落ち込んでいる同僚に一言だけ声をかける。家族に「ありがとう」と伝える。誰かの良い行いを見かけたら、嘆きを広げる代わりに、その温かい話のほうを人に伝える。どれもささやかな行為です。けれど、それは確かに洞窟の中に灯った一つの明かりです。
面白いのは、光は伝わるという点です。あなたが灯した小さな明かりで暖まった人は、別の誰かに優しくなれます。その人がまた次の人を照らす。怒りが伝染するように、優しさもまた伝染していきます。世界を一気に変える力は私たちにはありません。でも、自分の半径数メートルを明るくする力なら、誰にでもあります。それが集まったとき、洞窟はゆっくりと、しかし確かに照らし出されていくのです。
世の中の悲しみに憤るあなたの心は、消してはいけない大切なものです。その熱を、嘆きで燃やし尽くすのではなく、誰かを照らす明かりに変えていく。憤りを感じたときこそ、自分はどんな光を灯せるだろうと問い直してみてください。あなたが灯したその一灯から、世界は少しずつ明るくなっていきます。
今日からできること
一つ、ニュースに心が痛んだら、嘆きを書き込む前に深呼吸する。その感情をすぐ言葉で発散せず、自分は何ができるかへと向け直してみてください。
二つ、今日会う誰か一人に、温かい言葉を一つだけ届ける。「ありがとう」でも「お疲れさま」でも構いません。小さな一灯になります。
三つ、世の中の良い行いやニュースを見つけて、人に伝える。暗い話と同じくらい、温かい話も広げる側にまわってみてください。
四つ、批判で一日を終えない。怒りを感じた日ほど、寝る前に自分がした小さな良い行いを一つ思い出してください。
五つ、自分を責めすぎない。世界を全部背負わなくていいのです。半径数メートルを照らせれば、それで十分に光は伝わっていきます。
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