はじめに
最近、「反グローバリズム」または「反グローバリゼーション」の意見をよく目にするようになりました。
現代社会で「グローバリズム」や「反グローバリズム」という言葉が話題になるたびに、私たちは日本の歴史に立ち返り、その本質を問い直したくなります。
特に明治維新という大転換期は、まさに“日本流のグローバリズム”が大胆に実践された時代でした。
そして、その背景には攘夷運動という、現代の反グローバリズムにも通じるナショナリズムの高まりがあったのです。
グローバリズムとは何か
グローバリズムとは、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて自由に行き来し、世界が一体化していく流れを指します。
推進派は経済成長やイノベーション、多文化共生を掲げますが、一方で経済格差の拡大や伝統文化の破壊、主権の喪失といった副作用に警鐘を鳴らす「反グローバリズム」も世界各地で台頭しています。
明治維新とグローバリズム
江戸時代の日本は、鎖国政策により「国内完結型社会」を維持していました。
しかし19世紀半ば、ペリー来航を契機に開国を迫られ、西洋列強の圧力にさらされることになります。
このとき日本国内では「攘夷」(外国を打ち払え)を叫ぶナショナリズムが高まりますが、現実には軍事・経済力で圧倒的な西洋勢力に対抗することは困難でした。
そこで明治維新政府は戦略を転換します。
「外から学び、内を強くする」――すなわちグローバリズム的な近代化政策を強力に推進したのです。
西洋の制度や技術を積極的に導入し、産業・教育・軍事・法制度の全てを近代化。
人材や情報も国際的に交流させ、世界標準に合わせて国づくりを進めました。
歴史的エピソード:明治維新の実例
1. 岩倉使節団の世界一周
明治政府は日本の将来を担うリーダーや若者たちを世界へ送り出しました。
1871年に派遣された岩倉使節団は、欧米諸国を巡り、産業・教育・政治・文化・軍事に至るまで世界最先端を直接学びました。
彼らが帰国後、日本の政策や制度設計に欧米の仕組みを積極的に取り入れるきっかけとなりました。
2. 「和魂洋才」──日本らしい近代化
明治維新は西洋のただの模倣ではなく、日本の精神や伝統を守りつつ、西洋の技術や制度を取り入れる「和魂洋才」の姿勢が特徴です。
例えば、憲法制定ではドイツやフランスの法体系を研究しつつ、日本独自の国体観や皇室制度を盛り込む工夫がされました。
3. 殖産興業と輸出立国への転換
明治政府は「富国強兵」「殖産興業」をスローガンに掲げ、国有鉄道・郵便・銀行・紡績・製鉄などの近代産業を次々と設立。
これにより日本はアジアの他国に先駆けて急速な工業化・経済成長を実現し、欧米と対等な立場を獲得しました。
4. 教育制度の刷新
学制発布(1872年)により、全国に小学校が設置され、読み書きや算数だけでなく、国際社会で通用する知識や外国語教育も重視されました。
この教育改革が「人材のグローバル化」を推進し、のちの日本の発展を支える基盤となったのです。
グローバリズムの受容がもたらしたもの
この大胆な“世界化”こそが、アジアで唯一列強の植民地化を免れ、わずか数十年で国際社会の強国へと成長できた最大の要因でした。
日本は国際貿易に参入し、工業化を進め、日清・日露戦争にも勝利。インフラや教育水準も飛躍的に向上しました。
しかし、ここで見落としてはならないのが、単なる「追従」や「模倣」ではなく、日本独自の精神(和魂)と西洋の知識・技術(洋才)の融合を志向した点です。
国家の主権や文化を守るため、「選択的なグローバリズム」を実践したことが、明治維新の特徴でした。
攘夷運動と現代の反グローバリズムの共通点
興味深いのは、明治維新前夜の「攘夷運動」と、現代における反グローバリズム運動が根底で響き合っていることです。
どちらも「外部からの急激な影響や圧力」への強い警戒心、自国の主権・文化・経済を守ろうとする意識、そしてナショナリズム(自国優先)の高まりが共通します。
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攘夷運動は西洋列強の進出に対し、「伝統を守る」ために立ち上がった運動でした。
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現代の反グローバリズムも、多国籍企業や国際機関、外国文化の流入による「主権・アイデンティティの危機」に対する反発です。
ただし、明治維新の日本は「排外主義」に終わることなく、危機を乗り越えるためにグローバリズムを受け入れ、独自の発展モデルを確立しました。
また、現代の反グローバリズムには、資本主義を批判する左派の活動もあります。
現代社会への応用例
1. 現代の反グローバリズム運動
イギリスのEU離脱(ブレグジット)やアメリカの「アメリカ・ファースト」政策は、グローバル経済の負の側面に反発し、再び「自国の独立・主権・雇用を守る」動きです。
日本でもTPPや移民政策への賛否が社会的な議論となっています。
2. ローカル経済や伝統文化の再評価
現代の日本では、アニメや漫画などの創作や伝統工芸・和食などの「日本らしさ」を世界へ発信する動きも活発です。
グローバリズムの波の中で、改めて自国の文化や地域社会の価値を見直す「逆輸入的なナショナリズム」も注目されています。
3. 選択的グローバリズムの必要性
例えば、ITやAI、バイオテクノロジーなどの分野ではグローバルな連携が不可欠ですが、食料・エネルギー・防衛・医療など「国民生活の根幹」に関わる分野では自国の安全保障や持続可能性を優先すべき、という議論が高まっています。
まとめ──過去の知恵と現代への示唆
日本の近代史は、外圧に対してただ反発するのではなく、「外から学び、内を鍛える」というバランス感覚で危機を乗り越えてきた歴史です。
明治維新は攘夷運動のエネルギーを「選択的グローバリズム」へと転換し、結果的に国を飛躍的に発展させました。
現代社会でも「グローバリズムか、反グローバリズムか」の単純な二択ではなく、自国の主権や文化を守りながら、世界とどう関わるか――日本らしい選択的なバランス感覚が、今こそ問われているのではないでしょうか。
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