
重曹とクエン酸を水に溶かすと、シュワシュワと泡が立ちます。
この泡を見つめていると、体の中の淀みまで一緒に溶け出していくような気持ちになる方は、きっと少なくないでしょう。
スピリチュアルの世界で重曹とクエン酸を飲む方法が広まった背景には、こうした目に見える変化があると私は感じています。
何かが反応している、何かが起きている。
その手応えが、体が浄化されていく感覚と重なって受け取られていったのですね。
私のところにも、重曹とクエン酸を飲み始めてから気持ちが軽くなった気がします、という声がときどき届きます。
その実感そのものを否定するつもりはありません。
ただ、スピリチュアルだからと盲信して、間違った飲み方を続けてしまうと、かえって大切な体を痛める結果になりかねません。
今回は、重曹とクエン酸を飲むスピリチュアルな実践について、霊的な視点と科学的な視点の両面から、私なりに整理してお伝えしていきます。
なぜ「重曹とクエン酸を飲む」がスピリチュアルと結びついたのか
私たちの体は、不滅のエネルギーである魂を宿すための器です。
新約聖書には、あなたがたの体は神から受けた聖霊の神殿である、という言葉があります。
肉体は、魂が学ぶための精巧で神聖な乗り物だと、私は受け止めています。
ところが現代を生きる私たちの多くは、添加物やストレス、過度な情報によって、この体を酸性に傾かせ、サビつかせてしまいがちです。
そこに、体をアルカリ性へ戻す働きを持つとされるクエン酸や重曹が、まるで救世主のように広まっていきました。
泡という目に見える変化があり、手に入りやすく、安く、すぐに始められる。
だからこそ多くの方が飛びついたのだと思います。
ただ、ここで一度立ち止まって考えてみていただきたいことがあります。
飲み始めてから感じた軽さは、本当に重曹とクエン酸そのものがもたらしたものでしょうか。
それとも、自分の体をいたわろうと決めた、その心の動きがもたらしたものでしょうか。
私は後者の力を、とても大切に思っています。
人は、自分を大切に扱おうと決めた瞬間から、内側の風向きが少し変わるものです。
朝、コップ一杯の水をていねいに飲む。
それだけでも、自分を粗末にしない一日が始まります。
重曹やクエン酸は、その決意のきっかけになっているのかもしれません。
だとすれば、主役は粉ではなく、あなた自身の意志のほうではないでしょうか。
スピリチュアルな浄化とは、特別な物質を体に入れることではなく、自分との関係を結び直していく営みだと、私は考えています。
重曹を毎日飲むと、かえって健康に悪い場合がある
ここで、知っておいていただきたい物質界のルールがあります。
精神と肉体は、それぞれに尊重されるべき独自の法則を持っています。
目に見えない力を信じることと、化学反応のルールを無視することは、まったく別のことなのです。
以前、私のところに一人の男性が相談に来られました。
彼は波動を上げるためと信じて、毎日重曹水を大量に飲んでいたのですが、かえって血圧が上がり、体調を崩して、すっかり笑顔を失っていました。
彼の心の奥にあったのは、健康への深い恐れでした。
恐れから生まれた盲信が、肉体に負担をかけていたのです。
なぜ重曹を飲み続けると体に負担がかかるのか。
少しだけ化学式の世界をのぞいてみましょう。
重曹は胃の中で塩分に変わる
重曹は、正式には炭酸水素ナトリウムといい、化学式は NaHCO3 です。
Na はナトリウム、H は水素、C は炭素、O は酸素を表します。
このナトリウムに、胃酸に含まれる Cl が結びつくと、調理に使うお塩、つまり塩化ナトリウムになります。
式で表すと、次のとおりです。
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2CO3
H2CO3 → H2O + CO2
重曹は胃の中で、塩化ナトリウム(NaCl)と、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解されます。
H2CO3 は炭酸で、あのシュワシュワするものです。
重曹とクエン酸を水に混ぜたときに出る泡も、同じ炭酸ですね。
つまり重曹を毎日飲むということは、毎日せっせと塩分を摂取しているのと同じ意味を持ちます。
ミネラルを含まない精製された塩化ナトリウムばかりを体に入れれば、血圧が上がりやすくなり、体に負担がかかる可能性が指摘されています。
健康になりたいと願う純粋な心が、化学のルールを知らないばかりに、自分を傷つけてしまう。
私はくだんの男性に、体を大切にすることは、物質界のルールを愛をもって学ぶことでもありますよ、とお話ししました。
彼はハッとした表情を浮かべ、魔法の粉にすがるのをやめ、自然な食事へと戻っていきました。
重曹はうがいや鼻うがいで使うのが安心
重曹そのものに価値がないわけではありません。
ウイルスは弱アルカリ性の環境では増えにくいといわれています。
鼻や喉の粘膜を重曹水で守ること自体は、理にかなった使い方として知られています。
毎日の飲用は避けて、風邪気味のときのうがいや鼻うがいに留める。
これが、重曹との無理のない付き合い方だと私は考えています。
もし塩分をとるのであれば、食卓塩ではなく、マグネシウムやカリウムなど大自然の恵みが詰まった天然塩を選んでいただきたいです。
クエン酸を飲むときに気をつけたいこと
クエン酸は柑橘類に多く含まれ、酸性に傾いた体を調和の取れた状態へ戻す働きを持つとされてきました。
現代人の食事は、白米やパン、お肉、お砂糖など、酸性に傾きやすいものに偏りがちです。
クエン酸を取り入れることは、その偏りを整える手助けになるかもしれません。
ただ、ここにも気をつけたい物質界のルールがあります。
20世紀最大の霊能者と呼ばれたエドガー・ケイシーは、霊的リーディングのなかで、柑橘類と炭水化物を一緒に摂ってはならない、と述べています。
クエン酸と炭水化物を同時に体へ入れると、消化の調子が乱れやすいといわれているのです。
もしクエン酸を取り入れるなら、飲むタイミングに気を配ってみてください。
- 食前なら、炭水化物を食べる15分ほど前までに飲む
- 食後なら、消化が進むまで2時間ほど間隔を空ける
- 1回の量は3グラムから5グラム程度を目安に、水へよく溶かす
- 朝食を柑橘類のフルーツだけにする、というシンプルな取り入れ方もある
ただし、これらはあくまで体に負担をかけにくくするための工夫です。
クエン酸や重曹に治療のような効果があると考えるのは、慎重になっていただきたいところですね。
体調に不安がある方は、自己判断で続けずに、必ず医師や薬剤師など専門家に相談していただきたいです。
浄化を求める心の奥にあるものを見つめる
新しい健康法やスピリチュアルな実践が広まると、私たちはつい飛びつきたくなります。
重曹とクエン酸もそのひとつです。
手軽だからこそ、本来なら立ち止まって考えるはずの場面を、勢いのまま通り過ぎてしまいやすいのですね。
ここで思い出していただきたいのが、毎日重曹水を飲み続けて体調を崩した、あの男性のことです。
彼を動かしていたのは、健康になりたいという純粋な願いでした。
けれど、その願いの下にあったのは、健康を失うことへの恐れでした。
恐れに突き動かされているとき、人は方法そのものにすがってしまいます。
これさえ続ければ大丈夫、これをやめたら不安だ。
そうやって、ひとつの方法に心を預けきってしまうのですね。
浄化を求める気持ちは、とても尊いものです。
ただ、その気持ちが恐れから生まれているのか、自分をいたわる愛から生まれているのか。
ここを見分けることが、流行に飲み込まれないための大切な分かれ道になります。
見分けるための問いを、いくつか挙げておきますね。
- この方法をやめたら不安になるだろうか
- 誰かに勧められて、断れずに続けていないだろうか
- 量や回数を、いつのまにか自分で増やしていないだろうか
- 体のどこかが、本当はサインを送っていないだろうか
これらの問いに正直に向き合うと、自分がいまどんな心の状態でその方法に向き合っているかが、少しずつ見えてきます。
今日からできる、心と体の声を聴く一歩
何か新しいことを取り入れるとき、まずは一日だけ手を止めてみてください。
その一日、自分の体がどう感じているかを、ていねいに観察します。
軽いのか、重いのか。
喉や胃に違和感はないか。
眠りはどうか。
こうして自分の体と対話する時間を持つだけで、流行に流されにくくなります。
体は、言葉を持たないだけで、いつもあなたに語りかけています。
その声を聴く習慣こそ、どんな浄化法よりも先に身につけたい作法だと、私は思うのです。
これを飲めばすべて解決する、という他力本願な魔法はありません。
それでも、自分の体という器の仕組みを理解し、愛をもって慈しんでいくとき、あなたの魂は確かに一歩前へ進みます。
科学と霊的な真理は、対立するものではなく、重なり合ってあなたを支えてくれます。
どうかご自身の体を、世界にたった一つの尊いものとして、大切になさってくださいね。
よくある質問
重曹とクエン酸を一緒に飲むと浄化されるというのは本当ですか
水のなかで泡が立つのは、重曹とクエン酸が反応して炭酸が生まれているためで、これは物質界の化学反応です。
スピリチュアルな浄化と直接イコールで結びつくものではないと、私は考えています。
浄化とは、自分の体と心をいたわろうとする姿勢そのものに宿るものです。
方法に効果を求めるよりも、その方法を選んだ自分の心の動きに目を向けてみていただきたいです。
体に良いと聞いたので毎日飲みたいのですが
重曹は胃の中で塩分に変わる、という物質界のルールがあります。
毎日の飲用については、慎重になっていただきたいところです。
そして、体に良いかどうかという健康面の判断は、私のようなスピリチュアルの書き手ではなく、医師にゆだねるべき領域です。
体調に不安があるなら、自己判断で続けずに、必ず専門家に相談してください。
スピリチュアルな実践と健康法は、どう線を引けばよいですか
心を整えることと、体を整えることは、重なりながらも別の作法を持っています。
心の浄化は、自分との向き合い方の問題です。
体のことは、科学と医療の知恵にゆだねる問題です。
この二つを混同せずに、それぞれを尊重することが、自分を本当に大切にする道だと私は感じています。
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