滅びゆく世界で滅びないもの

2021年10月30日土曜日

真理 仏教


仏教の教えで諸行無常という言葉があります

みなさまも授業などで「平家物語」の冒頭に出てくる、諸行無常という言葉を聞いたことがあるはずです

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。

諸行無常というのは、この世のものは絶えず変化して、移ろい行くものである

いつかは滅んでいってしまうものであるとする、お釈迦様の教えです

たしかに、この世にあるものは、すべていつかは形を変えて失われていきます

堅牢な建物を作ろうと、数百年もすれば脆く崩れていくでしょう

日本は木造建築が多いですが、木の家は寿命も短く、百年とたたずに失われる事がほとんどです

日本で木造建築が多いのは、領土の多くが木に覆われた山林であり、木がたくさん手に入る事と、地震が多いため、外国のような石造りの建物は、地震で倒壊してしまうことが理由にあると思われます

外国では、頑丈な石造りの建物があり、長いこと残されている場合もありますが、それでも数百年か数千年すれば、失われていく運命にあります

生き物の寿命も決まっていて、昆虫などは翌年まで生きるものは少ないですし、動物も数年の命がほとんどです

人類は比較的なが生きな生き物ですが、それでも百年を生きるのは難しいです

百年を絶たずして、私たちの肉体は失われていきます

また地球などの惑星も、生き物からすれば気の遠くなるような寿命を有していますが、いずれは消えてなくなるものであり、永遠に残されるわけではありません

太陽も何十億年の先には、いずれは膨張していき、私たちの住む地球を飲み込むまでに拡大し、そして死を迎えます

そのように、この世のものは失われていくものです

しかし、お釈迦様は、すべてが失われていってしまうと考えたのではありません

この世のものはいずれ失われるのであり、別なものが失われずにあるのもまた事実です

すべてのものが失われるとすれば、お釈迦様の説かれたように、努力精進する必要もありません

お釈迦様の教えを間違って解釈したら、ニヒリズムの世界におちいってしまう可能性があるのです

お坊さんなどであっても、その点を誤解している人もいるように見受けられます

実際には、お釈迦様は修行を説かれており、すべてが消えてしまうのなら、それらも無駄になってしまいます

つまりは、失われ無いものがあるということです

それは何かというと、魂という霊的実体です

肉体は滅びても、魂は残り続けます

今世で修行し努力した事も、死んだら失われるのではなく、魂の経験として残されます

そのためお釈迦様は、諸行無常を説きながらも、努力の教えをうったえられたのです

この世のものは滅びゆくものですが、魂は存続し、行いや思いは未来へと引き継がれていきます

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