世の中に争いや訴訟は絶えませんが、それは悪人ばかりだからではなく、善人ばかりだからです
そう聞くと反対ではないかと思われることでしょう
世の中には悪い人が多いから争いが絶えないのだと普通は思ってしまいます
ですが善人が多い事で争いが絶えないという事があります
この場合の善人とは、自分は悪くなく、他人が悪いのだと思っている人です
世の中には自分は正しい判断をしているのに、他の人が間違っている、悪いことをしている人がいると考える人が多くいます
自分は善人だけれども、他人には悪人がいるので、それを正さなければならないと思っています
自分は善人と思っているから、悪人を正さなくてはならないと思って、世の中には多くの争いが発生しています
ですので、善人が多いから世の中には争いや訴訟が絶えないとも言えます
たとえば夫の立場からすれば、自分は一生懸命外で仕事をしているのに、妻が家事をちゃんとしてくれないと怒って、言い争いになる事もあるでしょう
自分は正しいのに妻が間違っていると思うから争いが絶えません
逆に妻の立場からすると、自分は毎日家事に追われているのに、夫は休みの日にゴロゴロとしてちっとも手伝わない、自分の苦労を知らないと不満を溜める事もあるはずです
どちらも自分は善人で、相手が悪人のように思うから争いとなります
もしもどちらも自分は未熟で悪いから申し訳ないと思ったり、相手に感謝する思いがあったなら、大きな争いには発展しないでしょう
世の中に自分が悪いと思う、悪人が増えたなら争いは減っていくのです
お仕事でも、部下が言い付けた仕事をろくに出来ないと怒ることもあるでしょう
しかし、ちゃんと分かりやすく指示をだしていなかった自分が悪いと思ったら、怒ったりはしないはずです
部下の方も、出来の悪い上司に元にいるから苦労すると考えると、不平不満も溜まっていきますが、自分が至らないために迷惑をかけて申し訳ないと思っていたら、上司の態度も変わってくるでしょう
そのように世の中には自分は正しくて、善であるのに、周りに悪人がいるから自分は苦労したり不利益を被ると考える人が多いのです
多くの人が自分の至らなさを自覚し、自分も悪かったと思えば、世の中から争いや訴訟などは激減していきます
善人(自分は正しいと思っている人)が多いから争いが絶えず、悪人(自分も悪い)が多くなれば争いも減っていきます
これはいま問題のコロナの自警団のようなものや、ネットの誹謗中傷などにも通じます
コロナ問題で、地方に帰省したらコロナを持ち込むなというような言われない誹謗中傷を受ける事態も発生しています
またネットの誹謗中傷が原因で亡くなる方も出てきてしまっています
そのような事をする人は、自分は正しく、間違っている人の言動を正しているのだという歪んだ正義感をもとにしています
自分は善人だと思い、悪い人を正しているのだと思っているわけです
まずは他人を正す前に自分を悪い所を自覚し、反省する事から始めるべきでしょう
いくら自分の闇を他人に投影して消そう消そうとしても、闇はますます濃くなるだけで消える事はありません
「なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。
自分の目には梁があるのに、どうして兄弟にむかって、あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。
偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう。」
マタイによる福音書

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