2023年2月5日日曜日

人間は幸福が不幸の種になる生き物


私たちは裸で生まれ、何も持たずに地球に誕生します

成長するにしたがって、いろんな物を所有するようになります

はじめは玩具からはじまり、洋服や靴など、自分のものだという意識が芽生え、他の子が取ろうとすると、怒りや悲しみを覚えます

無形のものでは母親の愛情もあるでしょう。自分に注がれる愛は、独占したく思っても、他の兄弟などが生まれると、取られたような気になります

さらに成長するにしたがって、成績優秀だとか、スポーツが得意だとか、美形で持てるなど、いろんな特徴をもって、それで他人からの人気や憧れ、名声などを得ます

ですが、こうしたものも、次第にうまくいなかくなったり、他にもっと優れたものが現れると、自分が得ていたものが取られる気がして、不幸な気持ちになります

そして大人になると、恋人やさらに結婚相手を得るようになり、仕事を得、給料でお金を得て、成功や名声などを得たり、健康や若さを持ち、土地や建物を所有したりします

こうして人は段々といろんな物を所有していきます

有形の物や無形の物などいろいろありますが、それらは幸せな事でもあります

しかし、いろんなものを得られたことによって、今度はそれを失った時の悲しみや不幸を背負う事になります

失恋や離婚、会社を首になって仕事を失う事、貯めていたお金を失う事、名声などが失われる事、病気になり健康が失われ、次第に年を取って若さも失われ、持っていた土地や建物を手放す事。

いろんな物をやがて手放す時が来て、それは悲しみとなってしまいます

つまり幸せをもたらした物が、次には不幸の元にもなっていきます

もともと持っていなければ、失う事の不幸も無かったのですが、いろんなものを所有するようになったために、失う悲しみがあります

しかし、人間は本来、何も持たずに生まれ、そして何も持たずにあの世に帰っていきます

裸で生まれて、この世の物を何も持って帰れずに、あの世に行く事になります

ですから、本来、失う物も無く、自分のものも存在しないのです

これを本来無一物と言い、我が物として執着を手放し自由な心境となります

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