2020年12月1日火曜日

人生の大きな転換点 愛される側から愛する側へ


私たちは地球に肉体をもって生まれてから、多くの年月を両親や周りの人に支えられ、愛されて生きていきます

社会人として成長するには人間は二十年近くもかかっています

それだけ多くの年月を、私たちは愛される側として生きるのです

ご両親や祖父母に育てられたり、お世話を受けて育てられています

動物にいたっては生まれてすぐに自らの力で生き抜く者たちもいます

爬虫類などは卵から孵化してから、すぐに自分で餌を取るようになり生きていきます

哺乳類などはしばらく親の庇護のもとに育てられますが、それも数か月から一年程度のものでしょう

人間のように二十年近くも愛情や手間をかけられて育てられるものはいません

そのため私たちは、愛される側でいる事になれてしまい、そこから容易に抜け出しないでいます

愛されることが当然と思うがゆえに、足りないと感じたら不満を覚え、愚痴も出てきます

愛され、庇護され、守られて生きる事が当然のように感じてしまいます

しかし、実社会に出ていくと、今度は自らの力で生きていかなくてはいけなくなります

これが第一弾の転換となります

人は愛され庇護される時期から、自分の足で立って生きていく時期を迎えます

もちろん、必ずしもすべての人が自立できるのではなく、時には満足に人生の第一弾の転換がうまくいかないこともあるでしょう

学校の人間関係や就職などで挫折を味わったり、痛みを受ける事でうまくいかなくなる事もあります

時には引きこもってしまう事もあるでしょう

第一弾の転換も、長い間、愛され続けたがゆえに、ぬるま湯から出られなくなるように、上手に出来なくなる事もあります

そしてうまく成長して転換できたとしても、人生にはもう一度の転換が必要となってきます

つまり、自立するだけではなく、今度は自らが愛する側の立場へと転換していかなくてはなりません

自立することが時として、自分さえよければいい、自分が高い位置についたり、稼げさえできてばいいのだと、自己中心の考えになっていく事もあります

自分の力で稼ぎ、働いて儲けるのもよいですが、それによって他人の事を考えないようになってしまい、いつしか周りを害してしまう事もあります

そこでもう一つの転換期が訪れます

それが自立から愛する側への転換です

はじめは私たちは愛される側にいました

それが自立する立場になり、さらに愛する側に変わっていくのです

分かりやすい例で言えば、成長して結婚し、子どもを授かることで、今度は子どもに愛情を注ぐようになります

今までは自分がご両親から受けてきた愛情を、今度は子どもたちに注いでいくのです

そうして愛される立場だった自分が、いつしか愛する側へと変わっていきます

仕事のなかでも、出世して管理職になると、部下などが出来てきて、自分の部下たちを教育したり育てなければなりません

そこにも仕事での転換点もあると思います

仕事をはじめたころには、まだ何も分からなくて、先輩や上司の指示に従って働いていたでしょう

周りの支えがあって仕事が出来、お給料を頂いていたわけです

それがしばらくすると自分でいろいろ仕事が出来るようになり、人の手を借りずに成果を出せるようになっていきます

さらに仕事が出来るようになってくると、職場で出世するようになり、今度は管理職として部下を見るようになります

そうして愛する側の立場へと転換していくのです

このように人間の人生には、大きく分けて三つの時期があると思います

愛される時期、自立する時期、愛する時期です

愛する時期まで成長することで、世の中への愛のエネルギーを提供するようになり、世の中に愛が増えていきます

愛される側の人間ばかりが多くなると、世の中は愛が不足し、暗くなっていくでしょう

これは政治的にも言える事です

国から支援され、庇護される人の数が多くなると、その国は衰退していきます

これは愛される側の人間が多くなるという事です

愛される側の国民が増えていくと、その国は暗く、愛の不足する社会となっていきます

多くの国民が自立していき、さらに愛する側に成長することで、その国は豊かになり、明るい社会となっていきます

政治的に言えば、共産主義や社会主義というのは、愛される側の国民を増やすというものです

資本主義や自由主義というのは、自立した国民を増やす政治であるといえます

自立した国民が多い方が、その国は発展はするでしょう

ですが、ここにはまだ足りない部分があります

今まで述べてきたように、自立した時期を迎えるのが終わりではなく、今度は愛する側に立つ時期が必要となります

自由主義や資本主義社会は自立した国民を増やしていくとは思いますが、そこにはエゴや我欲が強い人々が増える傾向も出てくるでしょう

そうではなく、さらに自立した後に、愛する人間となる社会がもっと先にあるべきです

愛される側から自立し、さらに愛する側へと発展していきます

そうすることで真に国家は理想的な社会へと生まれ変わっていくでしょう

関連記事



3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ずいぶん前にスクールの方で「なぜ現在の資本主義は終わりを告げるのか?どういう問題があるのか?」と質問したことがあります。(深く考え過ぎかなと思い取り消しましたが)
なるほど、今の資本主義は自立しているだけで愛を与えるまではしていなかったのですね。
社会主義共産主義が反省の原理を無くすだけでなく、愛情を不足させてしまう国家となることもとてもわかりやすかったです。

理解が深まりました。
どうもありがとうございます!

匿名 さんのコメント...

今日もたいへん良いお話有り難うございました。

匿名 さんのコメント...

愛される→自分を愛する→自分も他人も愛する、といった感じでしょうか。

愛するためには信じることが必要で、信じるためには本質を知ることが必要です。

自分や他人の本質(尊さ)を知り、信頼関係が構築できれば、愛し愛される関係へと発展していけるのかなと思いました。

どうもありがとうございました。

今後のコメントは X(旧Twitter)にてお待ちしております。