2021年2月19日金曜日

与えることで与えられる、「売りマス」と「買いマス」の話し


ひとは与えることで与えられるという話を何度かしたことがあります

霊的真理として、多くを人に与えたものが、与えられるようになるという事があるのです

多くの人に愛情を注いできた人は、多くの人から愛されるようになります

世の中に多くを与えた人は、それだけ評価もされるよになるでしょう

このように与えることで与えられるという法則があるのですが、これはビジネスの世界、商売についても言える事です

その事を端的に表していると思える昔話を紹介します

むかしむかし、信濃の国(現在の長野県)に湊屋(みなとや)というお店がありました

古くから米や味噌や醤油を売っている老舗のお店でした

ある日の事、湊屋の主人が、こんな事を考えました

(もっと儲けるために、升(マス)を変えたらいいんじゃないか)

当時は商品を仕入れ先から買う時、お客さんに売る時には、同じ升(マス)という量りともなる木の容器を使いました

そこで主人は、仕入れる時と売る時の升を変えてしまう事を思いついたのです

つまり仕入れる時には、わずかに大きな升を使い、売る時には小さな升を使うのです

そうすると同じ代金で仕入れる時に、ちょっとだけ多く仕入れられ、売る時にはちょっとだけ少なく売れるため、湊屋はその分儲かるというものです

早速、見た目にはほとんど気づかないような特殊な升を作って使い始めます

湊屋では、仕入れる時の升を「買いマス」と言い、売る時の升を「売りマス」と名付けました

はじめの頃は、この升を使う事によって湊屋は儲かっていきました

何せ買う時には同じ代金で多くを仕入れ、売る時には同じ代金でわずかしか売らなくて済むのですから、湊屋には徐々に利益が増していきます

主人は大喜びです

しかし、こんなことは長くは続きません

次第に町では噂が立っていきます

「湊屋で買った米は、他の店で買った米よりも少ない気がする」

「湊屋に米を売ると、他の店に米を売るよりも減りが早い」

次第に悪い噂が広まっていって、湊屋への客足はどんどん減っていったのです

そうした折、湊屋の主人の息子に隣町の長者から若いお嫁さんが嫁いできました

この嫁がなかなかの知恵者だったそうで、商売がうまくいかないわけを考えているうちに升のカラクリに気がつきます

(こんな事をしていてはお客さんが離れてしまい、お店も潰れてしまう)

そこでお店で働くよになったお嫁さんはこっそりと「売りマス」と「買いマス」を取り換えてしまいます

つまり仕入れる時には同じ値段でわずかに少なく買い、売る時にはわずかに代金よりも多く売ったのです

そうすると湊屋の儲けは減っていってしまいます

ですが次第に客足は増えるようになっていきました

「湊屋で買うとすこし多く米が買えるようだ」

「湊屋に売ると、わずかに得するようだ」

そうしたうわさが広がり、湊屋で買うお客さんが増え、仕入れ先の問屋も、より良い品を安く卸してくれるようになったという事です

こうして湊屋は嫁さんの知恵によって、以前よりもますます繁盛していくようになったとのことです

一見すると損をしているように見えますが、まずは与える事によって、与えられるようになるというものです

主人は目先の利益に目が眩んで、信用を失ったがために、大事なお客さんや仕入れ先を失っていく事になりました

このように自分がはじめに奪おうとするがために、周りが離れていき、失敗する事もあります

大切なことは、まず自分たちが喜ぶことよりも先に、お客さんが喜んでくれることを考えます

そうすると成功は後からついてくるという事です

ビジネスをする人や、成功を求める人には大切なお話ですね

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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつもありがとうございます🙃テレビで見た万引き依存性の人を思い出しました!その場では物質的には潤いますが、みえない何かをその分失ってるんですよね……

匿名 さんのコメント...

世の中の商売、株式投資もこの話とは真逆で成り立ってます。
いかに利益を取るかががまず先決で、
悲しいかな、良心で世によいものを安価で出したいと考えられる商売は長続きしていないのが現実ではないでしょうか。
できているのは公共サービスぐらいではないでしょうか。

霊的真理から大きく外れてる経済は、やはり近々リセットさせられるのではないでしょうか。

匿名 さんのコメント...

今回のお話、よかったです。ありがとうございました。わかりやすかったです。
この原理、知らない方が多いですねー

匿名 さんのコメント...

楽天市場やpaypayモールはポイントを大盤振る舞いしてくれるのでよく使っています。
それぞれ経済圏として成り立ってますね。キャンペーンもお得です。
Amazonも良く使いますが商品によって使い分けています。

今後のコメントは X(旧Twitter)にてお待ちしております。