欲しい物を得るためには、相応の代価を払って手に入れるように、人生には何かを得るためには何かを差し出さなくてはならないという「代償の法則」が働いています。
人はともすると楽して何かを得たいとか、棚からぼた餅を願いがちになります。
努力などを飛ばして、よい結論だけを得たいという安易な考えです。
短い期間で見ると、偶然に幸運が舞い込んだり、ラッキーなことが起こったように見える出来事もあります。
ですが、長い人生の中では帳尻があって、得た分の苦労はつきますし、成果に見合った努力は必要となってきます。
たとえば運良く出世したとしても、その人が見合った努力や経験が足りなければ、相応の苦労を負うことになります。
立場が上がると要求される仕事の質も違ってきますので、それだけストレスがかかり、実力不相応なほど、その苦労は大きなものとしてのしかかってきます。
下積みが長かった人は、苦労が多かったように見えますが、その分長く活躍されることが多く、パッと一躍有名になる人は、すぐに消えてしまう傾向があります。
そのように、トータルで均せば、代償を支払った分を人は受け取り、過大に受け取ると後から多くを支払わなくてはならなくなり、結局はバランスして払う分を受け取ることになります。
試験で良い成績を得たい場合は、それだけ努力して勉強しなくてはいけません。
学問だけでなくスポーツでも、努力した分は蓄積されて力となります。
仕事についてもそうです。
生まれつきの才能や特徴を人は持っていますが、これらも前世からの努力や経験量によるものです。
代償の法則として、何かを得るためには、何かを差し出す、あるいは捨てるという必要がでてきます。
学びを深めるためには、遊ぶ時間を捨てて、勉強する時間を取らなくてはいけませんよね。
麻雀やパチンコ、賭け事を辞めて、何かに向けて努力したら成果を得られるなどです。
一生懸命に毎日コツコツと積み重ねた努力は、いつか実となって報われます。
安易に成果ばかりを求めて、すぐに投げ出してしまう人は、何も得られずに不満ばかりつのります。
面白い例では、野球選手のイチローは、普通の選手が望んでいるホームランを打つことを捨てて、ヒットで出塁することに特化して成果を得ています。
もしイチロー選手が、ホームランも出塁もどちらも求めていたのなら、現在のような世界的な活躍はなく、普通の野球選手だったかもしれません。
ホームランを狙って打てば、それなりに打てたでしょうが、打者なら憧れるホームランを捨てて、出塁することに専念したからこそ、イチロー選手は偉大な成績を上げて、人々に称賛される選手となりました。
ホームランも出塁もどちらも求めていたなら、どちらも中途半端になって、プロ野球選手としては平凡な成果となってしまっていたでしょう。
このように何かに特化することは、同時に何かを捨てる・諦めるということでもあります。
何かを得たいという思いを持っていると、得たいという事ばかりに気が行って、あれもこれもと求めがちになってしまいますが、ここは欲を抑えて、何かを得るために、他のものを捨てる覚悟が必要です。
恋愛に関しても、あの人もこの人も良いと言っていては、うまく行かないでしょう。
「この人だ!」という一人に絞って付き合う事で、幸せな関係を結べます。
これはランチェスターの法則にも合致しています。
総当たり戦で、あちこちに戦線を広げてしまっては、力の分散を招いてしまうため、なるべく集中を心がけて当たることで相手に勝つことが出来ます。
力を分散させずに、なるべく集中させることを狙って、相手に当たっていくのです。
桶狭間の戦いで、織田信長が大群で攻めてきた今川義元を破った戦は、大が小を倒したように見られています。
ですが長蛇の陣を敷いた今川に対して、織田は大将のいる陣地にめがけて戦力を集中して投下したため、その場所では織田の方が兵は集中し多かったため、今川に勝てています。
たとえ敵が多く見えたとしても、それを分断したり、細分化することで、敵の弱点を責めて勝てるのです。
お店などでも、特定の分野や商品に特化することで、百貨店やスパーなど大手に勝てる可能性があります。
たとえばユニクロは衣料の分野で躍進しましたが、かれらは衣料に特化して、海外で安く仕上げるなど、特化することで大手の隙をついて勝っています。
大手のスーパーなどでは、衣料だけでなく、食品も飲食も、色んなものに手を広げていると、トータルで大きくなりますが、特定の分野ではその分、弱くなります。
衣料だけの特化すれば、それだけ大手の隙をついて攻め入ることが出来たわけです。
飲食業でも、大手のお店はだいたい多彩なメニューでお客を呼び込みますが、小さなところが勝つためには、何かに特化して打破しなくてはいけません。
「いきなりステーキ」などでも、ステーキに特化することで、色んな食材を仕入れなくて済み牛肉ばかりを買い付けるため、仕入れのコストを減らせます。
そして調理もステーキだけで簡単なため、料理人を早く安く雇う事が出来ます。
そのため大手の外食では色んなメニューを取り揃えていますが、ステーキだけという事で特化して攻め入れるわけです。
このように、小さなところが大手を責めるには、まずは小さく絞って、何かに特化していくと勝てる確率が高まるのです。
学問でも細分化して特定の分野だけに集中して掘り下げたほうが、その分野では第一人者になれるでしょう。
「代償の法則」から見える成果を得るための方法は、努力の積み重ねと、目的を絞って他のものは捨てるという選択にあると言えます。
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