皇后さまのご体調が報じられるたびに、私の心は小さくざわめきます。
そして同じころ、読者の方からも「これからの皇室はどうなっていくのでしょうか」というお声を、たくさんいただきました。皇室の行く末を案じる気持ちは、制度や継承の議論だけでは語りきれない、もっと深いところから湧いてくるものだと感じています。
今日はその、目には見えない部分について、私の思うところを書いてみます。
天皇家の源流は天照大神にある
天皇家の系譜をどこまでもさかのぼっていくと、天照大神にたどり着きます。
天照大神は日本民族の総氏神であり、太陽そのものを司る神でもあります。古事記に描かれた天岩戸隠れの物語をご存じの方も多いでしょう。伊勢神宮にお祀りされているのも、この天照大神です。
古事記には、天照大神の血を引くニニギノミコトが高天原から地上へと降り立ち、この国を治めるようになったと記されています。天孫降臨と呼ばれる、あの場面です。
「見えないもの」を見失った時代の不安
こうした神話を、現代の私たちはつい荒唐無稽な作り話として片づけてしまいます。
目に見えないものは存在しない。証明できないものは信じるに値しない。そういう考え方が、いつのまにか暮らしの隅々まで広がりました。
けれど皇室の尊さは、もともと目に見えない祈りの世界に根ざしています。神話を単なる物語として切り捨てたとき、私たちは気づかぬうちに、皇室を支えてきた土台そのものを掘り崩しているのかもしれません。
皇室の未来へのぼんやりとした不安は、じつはこの土台が揺らいでいることへの、魂からの警鐘のように私には聞こえます。
祈りが千年を超えて受け継がれてきた
歴代の天皇がもっとも大切にしてこられたのは、力ではなく、国と民のために捧げる祈りでした。
新嘗祭をはじめとする宮中のお祭りは、いまも変わらず続けられています。豊かな実りと、人々の安らかな日々を願うその祈りは、千年をはるかに超えて、途切れることなく手渡されてきました。
私はここに、日本という国の不思議な強さを感じます。目に見える権力は移ろっても、見えない祈りだけは消えずに受け継がれてきたのですから。
信仰の心が、皇室の未来を分ける
では、皇室の未来は何によって決まるのでしょう。
私は、制度をどう整えるかよりも、私たち一人ひとりの心のありようが、その行方を大きく左右すると考えています。見えないものの価値を思い出し、日本の神々への感謝を取り戻していけるなら、皇室はこれからも穏やかな光を放ち続けるでしょう。
反対に、損得や効率ばかりを物差しにする心が広がっていけば、どれほど制度をいじっても、危うさは消えてくれないように思います。
今日からできる、小さな祈り
むずかしいことをする必要はありません。
近くの神社に立ち寄って、手を合わせてみる。朝のひかりに、そっと感謝してみる。ご先祖や、この国を見守ってきた存在に、心の中で「ありがとう」とつぶやいてみる。そんな小さな祈りの積み重ねが、巡り巡って、皇室を、そしてこの国の集合意識を、あたたかな方向へと運んでいきます。
皇室の未来を案じる心は、裏を返せば、この国の尊いものを守りたいという深い愛のあらわれです。そのまなざしを、不安ではなく祈りへと変えていけたなら、私たちはきっと、明日へと続く希望の灯を守っていけるはずです。
日本の神々と私たちの魂の源流をめぐる話は、古代文明・神話・日本の霊的起源 完全ガイドにもまとめています。
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