早くに父親を亡くして、母親の手で育てられました
その子供は10歳くらいで母親から離されました
母親が再婚するために、子供がいては不都合だったからです
その男の子は、すこし変わった特徴を持っていました
言葉を話すことがほとんど無く、人とのコミュニケーションがほとんど取れないのです
母親も、この子は愛情をあまり感じていないのかもしれないっと考えたため、手放す決意をしました
ですが、その子は、表現が出来なくても、心の中では母親がとてもとても大きなウェートを占めていました
愛情をうまく表現する能力も無く、伝えることも出来ませんでしたが、男の子の心の中には母親に対する大きな愛情があったのです
離れて暮らす中でつらい体験をしながら、男の子は、自分は要らない存在だったのではないか?生まれてこなければよかったのではないかと苦悶いたします
そして深い愛情の裏返しとして、母が自分を見捨てて、男のもとへ走ったことを恨む気持ちももたげました
同時に、愛する者にそうした恨みを持つことの自分自身への罪悪感と、自分が犠牲になって母が幸せになればそれでよいという相反する想いが、心の中を必死に駆け巡ってどうしようもありませんでした
そして彼は大人になってからも、一人孤独に、自分の好きな研究に打ち込む人生を送りました
わたしの前世において、孤独な研究家として生涯を過ごしていた人生があるのは知っていましたが、それが何故なのかまでははっきり分かりませんでした
この男の子の思いを知ることで、幾らかその原因が分かってきたと言えます
男の子は、母を心から許したかったのだと思います
母親の痛みを知り、彼女を許し、そして愛していると伝えたかった
きっとそのような思いを残していったのだと思います
主よ、どうか私たちの罪をお許しください
悲しみを越えて、愛情深き者となりますように、御導きください

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