「人はどこから来て、どこへ行くのか」
しかし、幼い子供たちが語る「生まれる前の記憶（中間生記憶）」や「胎内記憶」には、その答えの片鱗が隠されています。多くの子供たちが語る、「雲の上から見ていた」「お爺さんに背中を押された」「滑り台で降りてきた」という言葉。
これらは単なる子供の空想ではありません。そこには、私たちがこの地球という星を選び、肉体を纏う決意をした瞬間の、魂の壮大な物語が刻まれているのです。
1. 「あの世」からのダイビング —— 勇気ある魂の決断
生まれる前の記憶を持つ人々の多くが、共通して語る感覚があります。それは、「高いところから飛び降りるような感覚」です。
霊的な視点で見れば、あの世（霊界）は光に満ち、波動が非常に高く、軽やかな世界です。対してこの地上（物質界）は、波動が重く、肉体という制限があり、苦しみや悲しみも存在する「修行の場」です。
霊界からこの地上へ生まれるということは、穏やかな海から荒れ狂う嵐の中へ飛び込むようなもの。そこには、「無事に帰れる保証はない」というリスクすらあります。それでもなお、私たちがここへ来ることを選ぶのはなぜでしょうか？
それは、魂の成長のためです。
何でも思い通りになる霊界では学べない、「不自由さの中での愛」や「苦しみの中にある希望」を体験するために、私たちは清水の舞台から飛び降りるような覚悟を決めて、この重力のある世界へとダイビングしてくるのです。
2. 導き手としての「仙人」 —— 魂の契約
「白い髭の仙人のようなおじいさんに『飛べ』と言われた」
「見知らぬおじいさんに、お母さんのお腹に入るよう促された」
このような証言は、私たちが決して孤独に放り出されたわけではないことを示唆しています。この「おじいさん」とは、霊界における指導霊（ガイド）や、転生を司る存在が、私たちの理解しやすい姿（元型）として現れたものでしょう。
あの世には、地上のお役所のように、転生の申請と許可を司るシステムが存在すると言われています。これは単なる事務手続きではなく、**「今世で何を学ぶか」「誰と出会うか」という魂の契約（ブループリント）**を確認する厳粛な儀式です。
私たちが地上へ降りることに躊躇するとき、背中を押してくれる存在がいる。それは、「あなたなら大丈夫だ、この試練を乗り越えられる」という、宇宙からの絶対的な信頼の証でもあるのです。
3. 滑り台とカプセル —— 波動の変換プロセス
「滑り台に乗って降りてきた」
「アバターのようにカプセルに入って意識を転送した」
これらは、霊的なエネルギー体である私たちが、物質的な肉体へと適合していくプロセスを、子供なりの感性で表現したものです。
「滑り台」は、高い次元から低い次元へと波動を落としていく降下のプロセスを。「カプセル」は、この地球という特殊な環境で活動するために不可欠な「宇宙服＝肉体」に、魂という意識を融合させる感覚を表しています。
私たちは、不便な肉体という「乗り物」に自らを押し込め、記憶のほとんどをリセットしてこの世にやってきます。
4. なぜ記憶を忘れるのか？
多くの人が成長とともに、空の上にいた時の記憶を忘れてしまいます。しかし、それは喪失ではなく、「今」を生きるための慈悲です。
もし、あの世の安らぎや、過去世のすべての因果を鮮明に覚えていたらどうでしょうか？ 地上の苦しみに耐えきれず、「早くあっちへ帰りたい」と願ってしまうかもしれません。あるいは、過去の後悔に縛られ、目の前の人生に集中できないかもしれません。
私たちが記憶を忘れるのは、この地球という舞台でのドラマに没頭し、リアルな感情を味わい尽くすためです。忘れているからこそ、私たちは喜び、悩み、そして手探りで真理を探究することができるのです。
結び —— あなたは選んで、ここにいる
もし今、あなたが人生の辛さに直面しているなら、思い出してください。
あなたは、誰かに無理やり連れてこられたのではありません。
はるか高い空の上で、「この困難な時代、この環境、この親」を選び、震えるほどの勇気を振り絞って、「えいっ！」と飛び込んできた勇敢なチャレンジャーなのです。
私たちは皆、天からの降下者であり、地上での体験というお土産を持って、いつかまた懐かしい故郷へと還る旅人なのです。だからこそ、この限られた地上の時間を、精一杯味わうのです。
著書『アースチェンジ——近未来の警告書』では、これから訪れる地球の変革について書いています
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