「鬼は外、福は内」と豆をまく節分。何気ない年中行事ですが、そこには邪気を祓うという、古くからの知恵が息づいています。
もともと節分とは、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指し、本来は年に四回ありました。ただ旧暦では春から新しい年が始まるとされたため、立春前の節分は大晦日にあたる大切な日でした。一年の区切りの日だったからこそ、邪気を祓って新年を迎える意味が重く置かれたのです。それで、節分といえばこの日を指すようになりました。
季節の変わり目に、邪気は入りやすい
昔から、季節の変わり目には邪気が人の間に入りやすいと考えられてきました。実際、季節の変わり目には風邪を引いたり、体調を崩したりしがちです。そうした不調を、古の人は鬼の仕業ととらえ、邪気を払う行事として定着させたのでしょう。流行り病のような目に見えない災厄を、鬼の姿に重ねて理解していたわけです。
豆まきの意味
なぜ豆なのか。豆という言葉が「魔を滅する」、つまり魔滅(マメ)に通じるからで、いわば語呂のよさからきています。
正直に言えば、豆そのものに鬼を退治する力があるわけではないでしょう。けれど、年中行事として楽しむことに意味があります。季節の節目を意識し、暮らしに彩りを添える。家族で声を上げて豆をまく、その明るい気持ち自体が、場を清めていくのです。笑い声のある家には、そもそも暗いものが寄りつきにくいものです。
邪気を祓う、四つの基本
邪気、つまり悪い気が滞るとよくない、と昔から言われます。これは実際にありうることです。豆では祓えなくても、滞った気の影響で体調を崩すことはあります。では、どう祓えばいいか。難しいことはいりません。日々の暮らしの中でできることばかりです。
ひとつは、換気です。滞った空気は気をも滞らせます。窓を開けて新鮮な空気を入れれば、邪気も薄れます。ふたつめは、掃除です。埃まみれだったり、不要なものがあふれた部屋には悪い気が溜まります。汚れものや食べ残しは処分し、すっきりさせておきましょう。
みっつめは、匂いです。悪臭のする場所には邪気が溜まりやすいので、香りを整えてください。お香やアロマで、空間に清々しさを通すといいでしょう。よっつめは、塩や音の力です。盛り塩をする、柏手を打つ、鈴を鳴らす。澄んだ音は、淀んだ気をほどいてくれます。どれもお金のかからない、昔ながらの知恵です。
いちばんの邪気祓いは、明るい心
そして忘れてはならないのが、自分自身の心です。どれだけ部屋を清めても、心に不平や怒りが溜まっていれば、邪気はまた寄ってきます。掃除をしながら気持ちもすっと整える。節分は、住まいと心を一緒に切り替える、よいきっかけになります。新しい季節を、軽やかな気持ちで迎えてください。
邪気祓いや浄化の作法は生霊・悪霊・憑依から身を守る完全ガイドに章ごとにまとめています。
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