2026年1月5日月曜日

「楽園」から「地獄」へ転落した国。ベネズエラが教える「バラマキ政策」の恐怖


かつて南米に、世界中が羨む豊かな国がありました。

その名はベネズエラ。

世界一の埋蔵量を誇る石油によって、溢れるほどの富を持っていた国です。

しかし現在、この国はハイパーインフレに苦しみ、国民はゴミを漁って飢えをしのいでいます。

なぜ、これほどまでに豊かな国が、短期間で崩壊してしまったのでしょうか。

その原因は、甘い言葉で人々を魅了した「社会主義的なバラマキ政策」にあります。

■ 「働かなくてもいい」という甘い罠

事の発端は、チャベス政権が掲げた「21世紀の社会主義」でした。

「富める者から奪い、貧しき者に分け与える」というスローガンは、国民の熱狂的な支持を得ました。

政府は外資系企業や国内の富裕層から資産を接収し、それを原資に大盤振る舞いを始めました。

医療費は無料、大学も無料、格安の住宅も提供されました。

食料品には政府が価格統制を行い、驚くほどの安値で販売されました。

一時的に、国民は「働かなくても豊かな暮らし」を手に入れたかのように見えました。

しかし、それは国の生産力を犠牲にした、あまりにも脆い砂上の楼閣でした。

■ 産業の破壊と勤労意欲の喪失

無理な価格統制は、企業の首を絞めました。

「作れば作るほど赤字になる」状況では、企業は生産を続けることができません。

多くの工場が閉鎖され、外資系企業は撤退しました。

さらに深刻だったのは、人々の「心」の変化です。

「国が何とかしてくれる」という依存心が蔓延し、汗水流して働くことが馬鹿らしくなりました。

農業も製造業も衰退し、国はトイレットペーパーひとつ自国で作れなくなりました。

必要なものは全て、石油の売却益で輸入すればいいという歪な構造が完成したのです。

■ 宴の終わり、そして地獄へ

破綻は突然訪れました。

原油価格の暴落です。

唯一の収入源を絶たれた政府には、輸入代金を支払う力が残っていませんでした。

国内からあらゆるモノが消え失せました。

政府は財政赤字を埋めるために、裏付けのない紙幣を大量に刷り始めました。

その結果、100万倍を超えるハイパーインフレが発生しました。

札束が紙屑同然となり、昨日は買えたパンが、今日は月給をつぎ込んでも買えなくなりました。

かつての中間層も没落し、国を捨てて難民となる人々が後を絶ちません。

■ 日本への警鐘:「タダ」より高いものはない

この悲劇は、決して対岸の火事ではありません。

今の日本を振り返ってみてください。

「無償化」「給付金」「補助金」という言葉が、選挙のたびに飛び交っています。

財源の議論はおざなりにされ、「国が配ればみんなが助かる」という安易な風潮がないでしょうか。

しかし、政府自体がお金を稼いでいるわけではありません。

バラマキの原資は、国民の税金か、将来への借金でしかないのです。

生産性を無視した分配は、必ずどこかで破綻します。

通貨の価値が下がり、物価が上がり、自分たちの首を絞めることになります。

「楽をして豊かになれる魔法」など、この世には存在しません。

ベネズエラの教訓は、私たちにこう問いかけています。

「その『タダ』の代償を払うのは、誰なのか」と。

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