「また戦争か」と、そっと画面を閉じたくなった方もいるかもしれません。
でも、その前にひとつだけ、問いを置かせてください。
人類はこれほど賢くなったのに、なぜ争うことだけは、何千年たっても手放せないのでしょうか。
つい三週間前、アメリカとイランは停戦の覚書に署名したばかりでした。
そのインクが乾く前に、ホルムズ海峡でまた砲火が上がっています。
7月7日、海峡を通る商船三隻がイランに撃たれ、アメリカ軍が報復として大規模な攻撃に踏み切りました。
イラン産原油をめぐる制裁も同時に元へ戻され、原油の値段は跳ね上がっています。
私がこれまで、地上の揺らぎとしてお伝えしてきた流れの、また一つの現れです。
けれど今日、ご一緒に見つめたいのは、戦況そのものではありません。
剣が銃になり、銃がミサイルになっただけ
人類は、海の底に線を引き、月に人を送り、手のひらの機械で地球の裏側とつながるところまで来ました。それなのに、争うことだけは、古代の部族抗争と何も変わっていません。
剣が銃になり、銃がミサイルに変わっただけ。やっていることの中身は、驚くほど同じです。
技術はまっすぐ前へ進むのに、この一点だけが、まるで足踏みをしている。
なぜでしょうか。
心理学者のユングは、こんな言葉を残しています。
「無意識を意識化しない限り、それは人生を導き続ける。そして人はそれを、運命と呼ぶのです」自分の内側にある影を見つめない者は、それを外の世界に投げ出し、いつか敵の顔をして再会する。
一人の心で起きていることが、国と国の規模にまで膨らめば、それはもう戦争と呼ばれます。
中東の砲火は、人類がまだ見つめきれていない集合的な影が、外側へ噴き出した姿でもあるのです。
地上という教室に、紛れ込んだもの
私は霊的に見るとき、この地球を、魂が学ぶための教室として受け取っています。生まれ変わり、忘れ、また一から学び直す。その仕組みそのものは、深いところで愛によって建てられている。ここは、私は疑っていません。
ただ、その教室のいくつかに、質のよくない教師が入り込んできた歴史も、同じようにあるのです。
人の意識を、物質と生き死にの不安にだけ縛りつけておきたい何かにとって、恐怖ほど都合のいい道具はありません。
明日を奪われるかもしれない。そう思わされているとき、人の視線は、決して内側にも天にも向きません。
次のニュース、次の敵、次の値上がり。外側の刺激を追いかけることで、頭も心もいっぱいになる。
争いが絶えないのは、人類が愚かだからではありません。絶えないほうが都合のいい構造が、長く働いてきたからだと私は見ています。
ホルムズ海峡の砲火は、その構造がむき出しになった一場面です。
恐怖が恐怖を呼び、報復が報復を正当化し、誰もが「相手が先にやった」と言う。
この連鎖の中に立っているかぎり、出口は永遠に見つかりません。
檻に気づいて、そこで立ち止まらないために
ここまで読んで、気が重くなった方もいるでしょう。世界は、やはり牢獄なのか、と。けれど、話はそこで終わりません。むしろ、ここからが本題です。
檻に気づくことは、目覚めの第一歩になります。
ただ、気づいたところで足を止め、恐怖にのまれてしまうと、今度はその恐怖こそが、あなたをつなぐ鎖に変わります。
支配のいちばん巧妙なところは、外の鉄格子ではありません。「もう逃げられない」と、あなた自身に思わせる、その一点にあるのです。
だから、ほんとうに問われているのは、遠い海峡の戦況ではありません。
あのニュースを見たとき、自分の内側で何が起きたか。恐れに引きずられて世界を呪う側に回るのか、それとも、この騒がしさの奥にある静けさを、もう一度思い出せるのか。
ほんとうの戦場は、中東ではなく、あなたの意識の中でこそ起きています。
記憶を忘れて生まれてくることも、下から見れば支配の道具に見えますが、上から見れば、白紙から学び直すための恩寵です。
同じ一つの仕組みが、立つ視点によって、正反対の意味を帯びる。
牢獄の扉に、じつは鍵はかかっていません。ずっと鍵だと思って握りしめていたものは、自分の恐怖心のほうだったのです。
今日からできること
過酷さから目をそらす必要はありません。世界の痛みを見なかったことにして、きれいごとに逃げ込むのも、また別の眠りにすぎないからです。
まっすぐ見つめる。そのうえで、恐怖の側に落ちない。この二つを同時にやるために、今日からできることを置いておきます。
1. ニュースを見た直後の、自分の体に気づく
息が浅くなっていないか、肩に力が入っていないか。恐怖にのまれた瞬間を、まず自分で見つけることです。2. 一日に数分、情報を断つ
スマホを置き、外の音を止めて、静かに座る時間を持つ。外へ向きっぱなしの意識を、内側へ返してあげてください。3. その不安が、誰の得になるかを問う
「この恐怖は、誰かにとって都合よく作られていないか」。一度そう問うだけで、飲み込まれ方が変わります。4. 敵味方を分けずに、祈る
遠い戦地の人々へ、どちらの側とも決めずに、短い祈りを向ける。分断の外に出る、小さな練習になります。5. 手の届く範囲を、温める
世界を一人で変えることはできなくても、目の前の人に優しくすることはできます。あなたのその一手が、連鎖を止める側の力になります。それでも、光は消えていない
ホルムズ海峡でこれから何が起きるのか、私にもわかりません。けれど、あのニュースをあなたがどう受け取るかは、まぎれもなく、あなたに委ねられています。
そこにだけは、どんなときも自由が残されている。
どうか、砲火の光にばかり、心を奪われませんように。
その奥に、決して消えない、もっと静かな光があることを、思い出していただけますように。
あなたの毎日が、恐れではなく、深い信頼の上に立っていけますように。
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