成功した人を見たとき、私たちはつい「あの人は実力があるからだ」と考えます。
では、うまくいかなかった人については、どうでしょう。
「努力が足りなかったのだろう」と、どこかで突き放してはいないでしょうか。
成功は、その人の実力で勝ち取ったものなのか。
それとも、幸運や恵まれた環境のおかげなのか。
今日は、誰もが見落としがちな、この問いの本当のところをお話しします。
人は、成功を実力に、失敗を環境のせいにしたがる
面白いことに、成功体験の多い人ほど、その成功は自分の実力によるものだと考える傾向が強くなります。
一方で、失敗体験の多い人は、自分が悪いのではなく、外部の環境が悪かったのだと考えがちです。
ここで言う成功や失敗とは、受験や就職、出世や起業といった、人生の節目での結果のことです。
良い大学に進み、望む就職先に入れた人は、たいてい、それを自分の実力の証だと受け止めます。
一生懸命に努力した結果だ、自分に才能があったからだ、と。
そうなると、成功しなかった人や、つまずき続けている人に対して、厳しいまなざしを向けがちになります。
あの人は自分に甘いからだ、努力が足りないからだと、突き放してしまうのです。
けれど、ここで一度、立ち止まってみたいのです。
その成功は、本当に実力だけで手にしたものなのでしょうか。
数字が静かに語る、恵まれた環境の存在
ひとつ、考えさせられるデータがあります。
日本で最難関とされる東京大学。
その学生の親の世帯年収を調べると、九百五十万円以上の家庭が六割を超えているそうです。
一方、同じ世代全体で見れば、世帯年収が九百五十万円以上の割合は一割ほどにすぎません。
教育社会学者の舞田敏彦さんの調べによる数字です。
いかに難関大学の学生の親が、経済的に恵まれているかが見えてきます。
もちろん、本人の努力を否定するつもりはありません。
合格を勝ち取った当人が、懸命に勉強したことは間違いないでしょう。
けれど、十分な教育を受けられる環境、安心して学べる家庭、そうした土台が初めから与えられていた。
その事実もまた、まぎれもなくそこにあるのです。
成功とは、本人の努力と、与えられた環境と、巡り合わせの運。
その三つが重なって、はじめて形になるものなのですね。
「運も実力のうち」という言葉の落とし穴
「運も実力のうち」という言葉があります。
たしかに、運を引き寄せるだけの準備や行動も大切です。
けれど、この言葉を成功した人が口にするとき、しばしば危うさをはらみます。
自分が手にした幸運までも、すべて自分の力だったと言い換えてしまうからです。
恵まれた偶然を実力に塗り替えてしまえば、感謝の気持ちは消え、傲慢だけが残ります。
本当に器の大きな人は、逆のことを言います。
「実力で勝ち取ったように見えるものも、その多くは運に支えられていた」と。
この謙虚さこそが、成功を長く保たせ、まわりから愛され続ける人の共通点なのです。
恵まれていることに気づく人は、傲慢にならない
ここに、霊的にとても大切な視点があります。
自分の成功を、すべて自分の手柄だと思い込む人は、知らぬ間に傲慢になっていきます。
そして、恵まれなかった人を見下し、突き放すようになる。
けれど、自分が今ここにいるのは、数えきれない恵みの上に立っているからだと気づいた人は違います。
与えられた環境に感謝し、まだ恵まれていない人へ、自然と手を差し伸べられるようになります。
私たちは、自分の力だけで生きているのではありません。
生まれた国、時代、家庭、出会った人々。
そのどれ一つとして、自分で選んで手に入れたものではないのです。
すべては、与えられたものです。
その事実に頭を垂れられるかどうかが、成功した後の生き方を分けていきます。
今日からできること
もしあなたが今、何かを成し遂げている最中なら、ひとつだけ思い出してみてください。
その成功の陰に、どれだけの人の支えと、恵まれた巡り合わせがあったかを。
支えてくれた人へ、心の中で「ありがとう」と伝えてみる。
そして、まだうまくいっていない人を見たときには、突き放すのではなく、その人なりの事情に思いを寄せてみる。
うまくいかないのは、努力が足りないからとはかぎりません。
まだ、環境や巡り合わせが整っていないだけかもしれないのです。
恵まれた幸運に感謝し、それを独り占めせず、まわりへ分かち合っていく。
その心を持つ人のもとには、さらに大きな信頼と縁が集まってきます。
成功が幸運か実力かを論じることより、与えられたものへの感謝を忘れないこと。
それこそが、本当の意味で運を育て、人として豊かに生きていく道なのだと、私は思います。
運と実力をめぐる話の続きは、開運・運気の実践完全ガイドにまとめました。
関連記事
↓一日一回のクリックが、このブログの灯を守ってくれます
応援いただいたあなたに、幸せが届きますように祈ります
このブログでお伝えしているのは、魂の旅路への入口となる話です。
もっと深く学びたい方、満月の一斉ワークに加わりたい方は、スピリチュアルスクールでほぼ毎日メッセージをお届けしています。
ブログには書けない霊的な実践も、ここでお話ししています。
関連記事


新刊『ソフィアの森で見つけた幸せの鍵』