明日9月23日は秋分の日で、太陽が真東から昇って真西に沈み、この日を境に夜のほうが長くなっていきます。
この数日、わけもなく気分が沈んだり、急に部屋の物を手放したくなったりしていないでしょうか?
その揺れは、季節の陰と陽が入れ替わる境目で、魂が冬に向けた支度を始めた合図です。
連休のあいだは台風25号や大雨のニュースが続きましたから、空模様と一緒に心まで重くなった方も多かったと思います。
天気や疲れのせいにして済ませる事も出来ますが、霊的に見ると、この時期の心の揺れにはもう一段奥の意味があるのです。
秋分の日は陰と陽が入れ替わる境目
二十四節気では、春分から秋分までの半年が昼の長い陽の季節、秋分から春分までの半年が夜の長い陰の季節にあたります。
陽の季節は、外に出て人と会い、動き、広げていく時期です。
陰の季節に入ると、内にこもって蓄え、振り返り、根を張る時期に変わります。
陰陽の考え方では、陰は陽と対になって世界を支える力で、夜の眠りがあるから昼の働きが続いていきます。
昼の光だけで生きようとすると人は疲れ果ててしまいますし、夜の闇がなければ稲穂も実を結びません。
魂の学びも同じで、外で経験を積む時期と、内でその経験をこなしていく時期が交互に巡ってきます。
ちなみに暦の上では昼と夜が同じ長さとされていますが、日の出と日の入りの決め方の関係で、東京で昼夜がほぼ等しくなるのは秋分の数日あとだそうです。
秋分の七十二候を見ると、この切り替わりがよく分かります。
初候の雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)は、夏の間に鳴っていた雷が声をおさめる頃とされています。
次候は蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)で、虫たちが土の中にもぐって入口を塞ぎ、冬ごもりの支度をする頃です。
末候の水始涸(みずはじめてかるる)になると、田から水を抜いて稲刈りに入ります。
刈り取った稲をはざ掛けにして干す風景が見られるのも、ちょうどこの頃になります。
雷も虫も田の水も、夏に外へ向かっていた力を、この時期に内へ引き戻していくのです。
人の魂も自然の一部ですから、同じ切り替えが心の中でも起こっています。
秋口に気分が沈むのは、魂が内へ向かい始めたから
夏のあいだは、少し無理をしてでも予定を詰め、人に会い、外へ向けて動けていた方も多いはずです。
それが九月も半ばを過ぎると、同じ予定が急に重く感じられたり、人の集まりから早く帰りたくなったりします。
霊的に見ると、陽の季節には体の外へ大きく広がっていた気が、秋分を境に体の芯のほうへ引き寄せられていくように見えます。
外へ広げていた光を、自分の中心に集め直している状態です。
春から夏にかけて重ねてきた出会いや出来事は、この集め直しの中で少しずつ魂の糧に変わっていきます。
昼に食べたものを、夜の眠りのあいだに体がこなしていくのとよく似た働きです。
集め直しているあいだは外に出せる力が減りますので、夏と同じ調子で動こうとすると、その差が疲れや気分の沈みになって現れます。
魂の側から見れば、冬を越すための蓄えの時間に入ったという合図なのです。
私はこの時期の落ち込みを、無理に引き上げなくていいものだと考えています。
虫が土の中で戸を塞ぐように、人も少し閉じこもる時間を持ってよい季節に入りました。
急に手放したくなるのは、魂が冬支度を始めた合図
秋分の前後になると、クローゼットの服をまとめて処分したくなったり、長く続けてきた習慣や人づきあいに区切りをつけたくなったりします。
このように感じる人は、毎年この季節に少なからずいるはずです。
木が葉を落とすのは、冬を越すために余分なものを減らして、根と幹に力を残すためです。
陽の季節に広げたものの中には、実りをもたらしたものもあれば、もう役目を終えたものもあります。
次の半年を越えるのに要るものと、もう要らないものを、魂はこの時期に選り分け始めます。
手放したい気持ちがふいに湧いてくるのは、その選り分けが心の表面に上がってきたからです。
葉を落とした木は、冬のあいだ枯れたように見えても、幹の中では次の春に芽吹く力を溜め続けています。
手放したあとに残る空白も、新しい縁や学びが入ってくるための場所になるのです。
物でも人間関係でも、秋分のころに離れたくなったものは、夏の間にすでに役目を終えていた事が多いのです。
勢いに任せると、まだ手元に置くべきものまで捨ててしまいます。
迷うものは箱にまとめて冬至まで置いておき、そのとき改めて決めるくらいがちょうどいいでしょう。
秋分の日に向いている過ごし方
昼と夜、陽と陰がちょうど釣り合う秋分の日は、この半年を振り返るのに向いた一日です。
春分から今日までの半年で、何を始め、何が実り、何がうまくいかなかったのかを紙に書き出してみてください。
書き出したものの中で、冬のあいだも持っていきたいものに印をつけると、手放すものが自然に見えてきます。
お彼岸の中日でもありますので、ご先祖さまに手を合わせ、この半年を無事に過ごせた事への感謝を伝えるのもよいと思います。
仏教では、昼夜が等しくなるこの時期を、どちらにも偏らない中道の教えと重ねて見てきました。
夜が長くなるこれからは、早めに灯りを落として眠り、祈りや瞑想の時間を少し増やしていくと、内に集めた光が育っていきます。
秋の夜長に読みかけの本を開いたり、日記をつけたりして、自分と向き合う時間を取るのも陰の季節に合った過ごし方です。
昼のにぎやかさの中では聞こえにくかった魂の声も、夜が長くなるほど届きやすくなります。
陰の季節は、内なる光を蓄える季節
秋分の日は、外へ広がる陽の季節が終わり、内へ根を張る陰の季節が始まる境目です。
気分が沈むのも、急に何かを手放したくなるのも、魂がその切り替えを先に感じ取って冬支度を始めたからです。
夏のように動けない自分を責めたくなったら、虫が戸を塞いで土にもぐる頃なのだと思い出してください。
冬のあいだに蓄えた光は、次の春分に芽を出す力になります。
この秋が、みなさまにとって内なる光を満たす実りの季節になりますよう、心から願っています。
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