幸せの四タイプ|出世競争型・快楽型・悲観型・至福型の見極め方

2024年3月4日月曜日

幸福

あなたは今、幸せに向かって走っているつもりで、実は出口のない迷路の中を歩いていないでしょうか。

多くの人は「もう少しがんばれば幸せになれる」と信じて、目の前の課題に取り組んでいます。

ところが、いざその場所に到達してみると、なぜか満たされず、また次の目標が遠くに姿を見せている。

そのくり返しの中で、人生の輝きが少しずつ目減りしていくように感じる方もいらっしゃるはずです。

ポジティブ心理学者のタル・ベン・シャハー氏は、人が幸せを求めるやり方を四つの型に整理しました。

出世競争型、快楽型、悲観型、そして至福型です。

この四つの型は、単なる性格分類ではなく、あなたの魂が今この人生で何を学ぼうとしているのかを照らし出す鏡でもあります。

順にていねいに見ていきましょう。

幸せはいつも「未来」にあると信じてしまう人へ

ひとつめは、出世競争型と呼ばれるタイプです。

「理想とする目標の先に幸せはあるのだ」と考え、今この瞬間を犠牲にしてでも、ひたすら先へ進もうとする人たちです。

このタイプの方は、現状の喜びを味わうことが苦手で、絶えず焦燥感に動かされています。

もっと先へ、もっと上へ、もっと成果を。

その動機の奥にあるのは、しばしば「今のままの自分には価値がない」という静かな不安です。

動き続けることでしか安心できない構造

たとえば「いい学校に入りさえすれば幸せになれる」と信じ、必死で勉強する子どもがいます。

苦労して努力しても、思うような結果が出ずに落胆する人もいれば、首尾よく目標の学校に入っても、今度は就職活動という新しい競争が待っています。

幸せが待っているはずだったゴールは、気づけばまた一歩先へと逃げているのです。

運よく希望の会社に入れたとしても、今度は社内で一番下から出世のレースが始まります。

同期に先を越されないように仕事に打ち込み、家庭を顧みる余裕も少しずつ失われていく。

ゴールはさらに先に進み、最終目標は「その会社の社長になること」かもしれません。

しかし社長になれるのはごく一部であり、大半は途中で挫折します。

仮になれたとしても、もうかなり年齢を重ねており、その間に失ってしまった時間や関係は戻ってきません。

そしてトップに立った瞬間に、今度はライバル企業との競争、業界全体の競争が視界に入ってきます。

こうしてゴールは死ぬまで先へ先へと遠ざかり、本人の中に「今ここの幸福」が育つ余地が残されないのです。

これは資本主義社会で評価されやすい生き方ですが、霊的に見ると、自分の魂を絶えず未来に質入れし続ける状態とも言えます。

「今さえ楽しければいい」が招く心の砂漠

ふたつめは、快楽型です。

未来のことよりも、今この瞬間の楽しさを優先するタイプです。

遠い目標のために我慢するくらいなら、今すぐ感じられる喜びに手を伸ばしたい。

そんな心境で生きている方たちです。

このタイプには、出世競争型のレースに疲れ果てて転向してきた人も少なくありません。

刺激の沼にはまっていく人々

具体的には、ギャンブル、お酒、異性関係に深くのめり込んでいくケースが代表的です。

海外では麻薬に手を出し、心身を壊していく人もいます。

そこまで極端ではなくても、「今が楽しければそれでいい」と考える快楽追求型の人は私たちの周囲にも大勢います。

こうした生き方は、長期的な信頼関係を築きにくいという共通点があります。

異性との関係では一時的な情熱を追いかけて不倫を重ねたり、仕事では一つの職場に長く留まれず、転職を繰り返したり。

その瞬間は満たされても、刺激が抜けたあとには、より強い刺激が必要になっていく。

味の濃い料理ばかり食べていると、薄味の本当の旨みが分からなくなるのと似ています。

魂の感受性が、徐々に鈍麻していくのです。

世界に絶望することで自分を守る悲観型

みっつめは、悲観型と呼ばれるタイプです。

未来に希望を持たず、かといって現状にも満足できず、いつも嘆きながら暮らしている方たちです。

「どうせ望んでも失望するだけだ」「自分なんてどうせ報われない」と最初から期待を手放してしまう。

このタイプは、一見すると弱々しく受け身に見えますが、その内側には深い自己防衛の構造があります。

あらかじめ自分を不幸の側に置いてしまえば、これ以上傷つかずに済むからです。

また、周りからの同情を引き出すことで、ささやかな慰めを得ようとする無意識の作戦が働いていることもあります。

私自身、相談者のお話をうかがっていると、若い頃に大切な人から見捨てられた経験をきっかけに、世界を信じる回路をそっと閉じてしまった方によくお会いします。

その方たちを責めることはできません。

傷つかないために、悲観という鎧をまとっただけなのです。

ただ、その鎧は同時に、喜びや祝福の光も内側に届きにくくしてしまいます。

至福型|今を味わいながら未来の種をまく生き方

四つめが、ベン・シャハー氏が推奨する至福型です。

現在の中にも幸せをしっかり感じ取りながら、同時に未来に向けてもこつこつ努力していくタイプです。

出世競争型は未来だけを見て今を犠牲にし、快楽型は今だけを見て未来を捨て、悲観型はそのどちらにも希望を持てません。

至福型はそのどれでもなく、今この瞬間と未来とを、一本の流れとしてつなげて生きていきます。

好きなことに打ち込む時間そのものが報酬になる

たとえば、自分が心から好きなことを見つけて、それを深めていく時間を惜しまない人たちがいます。

その人にとって、努力は苦行ではなく、喜びそのものです。

そして気づいたときには、その積み重ねが自然と仕事になり、好きなことで生計を立てられるようになっていく。

こうした生き方が至福型の典型例です。

私事で恐縮ですが、私自身は学生の頃から読書が好きで、哲学書や思想書を片端から読み漁っていました。

将来はものを書いて生活できればいいなと、漠然と感じていただけでした。

サラリーマン時代には「そんな本を読んで何になるんだ」と上司に失笑されたこともあります。

当時はその言葉に傷つきましたが、今振り返れば、何の役にも立たないように見えたその時間こそが、今の私の仕事を支えています。

こうして記事を配信し、読んでくださる方々と魂の対話ができる毎日があるのは、結果を考えずに「好き」に向かい続けた時間のおかげです。

努力という言葉が消えていく境地

至福型の人にとって、努力という言葉はだんだんと意味を失っていきます。

外から見れば努力に見える行為が、本人にとっては喜びでしかなくなるからです。

そこには「いつか報われるはずだ」という未来への祈りと、「この時間自体がもう報酬だ」という現在への感謝が同居しています。

霊的に見ると、これは魂の歓びと地上の活動とが、一本の線でつながっている状態です。

あなたが今楽しめることの中に、すでに将来の成功や祝福の種が静かに撒かれている。

そう信じて生きていく姿勢が、至福型の中心にあります。

あなたはどの型を生きているか

ここまで四つの型を見てきましたが、多くの方はどれかひとつに完全に属しているわけではなく、状況によって型を行き来しているはずです。

仕事では出世競争型、休日は快楽型、人間関係では悲観型、というふうに使い分けている方もいらっしゃるでしょう。

まずは責めずに、今の自分がどの型に多く時間を使っているのかを、静かに眺めてみてください。

気づくことができれば、選び直すことができます。

未来ばかりを見ていたなら、今日の食事の一口、家族の表情、窓から差し込む光に意識を戻してみる。

今だけを追いかけていたなら、半年後の自分が喜んでくれる種を、ひとつだけ撒いてみる。

世界に絶望していたなら、たった一人の信頼できる魂と、もう一度つながり直してみる。

小さな選び直しの積み重ねが、やがてあなたを至福型へと連れていきます。

あなたが今この瞬間に味わえる喜びと、未来へとつながる希望は、本来ひとつのものでした。

その記憶を取り戻していく旅路を、私はあなたとともに歩んでいきたいと願っています。

どうかご自身の歩幅で、今日もひとつだけ、心の灯をともす行いを選んでみてください。

消費される幸福と長く続く幸福の見分け方は、幸福完全ガイドの章にもまとめています。

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