愛の実践方法、無財の七つの施し

2020年1月19日日曜日

仏教


愛することの大切さを知識として知っても、それを日常の中でどのように実践していけばよいか分からないと言う事もあるでしょう



人はなぜこの世に生まれてきたのかと言えば、それは世の中に少しでも愛を贈り、世界に愛を増やしていくためです

実は私たちはすでに神様から多くの愛を頂いているのですが、それに気づかず、いつももっと多くの愛を求めてさ迷っています

しかし、思いを一転して、愛を求めるのではなく、愛を与えていこうとする中に、真の幸福を見出していきます

この思いの転換は、ひとつの悟りでもあります

愛は与えるほどの私たちに返ってきます

逆に愛を奪おうとすると、さらに持っているものまで奪われてしまうのです

このように私たちの幸福にとって大切な愛なのですが、ふと、日常で何をすることが愛の実践になるかと考えてしまう事もあるでしょう

愛を与える者となりたいと願っても、いざ実践しようとすると、何をしていいか分からないことがあります

そこで日常で実践できる愛の行いの実践を仏教の教えに沿ってお伝えしたいと思います

まず一般的に仏教で施しという愛(慈悲)の実践として、財施、法施、無畏施の三種類が言われます


財施


まず「財施(ざいせ)」というのは、お金や食料などを人に施すことです

何かに寄付したり、被災地に衣服などを提供したりすることがあるでしょう

そのように持っているお金や物を施すことを財施といいます

そうすることで、相手に役に立ってもらうと共に、お金や物への執着を断ち、欲を捨てる事にもなります

仏教では煩悩の筆頭に貪(トン・むさぼ)りの心が出てきますが、そうした欲を断つ修行にもなるわけです


法施


次に「法施(ほうせ)」とは、相手に心の教えを与える事です

仏教の教えを伝えるという意味ですが、広くは霊的真理を伝えてあげる事にもつながるでしょう

多くの人々は「死んだら終わりだ、この世限りだ」と無明の世界に生きていますから、真実をお伝えする事も愛(慈悲)の実践になるわけです


無畏施


そして「無畏施(むいせ)」とは、相手の恐怖や不安、怯えなどを取り除いてあげる事を言います

何かに不安で悩んでいる相手に、明るい言葉をかけたり、希望の持てる話をしてあげることなどがこれに当たるでしょう

このように仏教では三つの施し、愛の実践が大切だと言われます

しかし世の中には、人さまに分け与えられるだけのお金も無い、教えを伝える力もない、人の不安を取り除く言葉もないという方もいるでしょう

そのように財も智慧も持たれていない方のための実践方法というものも仏教では教えています

それを『無財の七施』と言います

『無財の七施』は眼施、和顔施、愛語施、身施、心施、壮座施、房舎施の七つを言います


一、眼施(慈眼施)


眼施は、やさしい眼差(まなざ)しで人に接する事を言います

いつも鋭い目つきで人を見ていたりしないで、優しい目を心がけていく事です

相手を思いやる心を持っていると、自然と目つきも優しいものとなっていくでしょう

祖父母が孫を愛でるような目をイメージすると分かりやすいです


二、和顔施(和顔悦色施)(わがんえつしきせ)


和顔施は、いつもにこやかな顔で人に接することです

しかめっ面をするのではなくて、努力して笑顔で人に接するように心がける事です

お金が無いとしても笑顔で人に対する事はいつでも実践できます

笑顔でいる事で人からも愛され、相手を幸せな気持ちにしてあげられます


三、愛語施(言辞施)


愛語施は、やさしい言葉で相手に接する事を言います

言葉は人を生かすこともあれば、時には深く傷つけてしまう事もあります

言葉によって人は悩み、希望を見出すのです

相手に対してなるべく優しい言葉をかけるように心がけ、怒りで我を忘れることが無いようにしましょう

相手の事を思って、こんな事を言ったら相手を傷つけてしまわないか?悲しませないかを考えて注意する事です

普段のあいさつや感謝の言葉なども愛語施に入るでしょう


四、身施(捨身施)


身施は、自分の身体でできることを奉仕する事です

たとえばお年寄りが重い荷物をもって困っている時に、行って持ってあげるなどが身施にあたります

困った人がいれば行って、何か手伝いする事もあるでしょう

仕事などで人の嫌がる事も自分でしてあげることなども身施に入ると思います


五、心施(心慮施)(しんりょせ)


心施は、人のために心を配る事を言います

たとえば友達が深く悲しんでいるならば、その境遇を助けられなくても、一緒に悲しんであげる事が出来るでしょう

相手に嬉しいことがあればともに喜び、悲しいことがあれば共に悲しんであげるように、心を寄り添わせることです

相手の気持ちを自分の事として受け止めてあげる事を言います


六、壮座施(そうざせ)


壮座施は、席や場所を譲る事を言います

たとえば電車でお年寄りやけが人、妊婦さんなどに席を譲ってあげる事を言います

そのように相手に譲る思いを持つことです

会社などでも成果を独り占めして、自分が早く出世しようとする人もいますが、そうではなくて相手に譲るような気持ちを持つことです

ただ座席だけではなく、地位や名誉、出世の席などもこれにあたるでしょう

他にも自動車を運転している時に、脇道などから入ろうとしている車を入れてあげるなどの親切もあげられます

譲り合いの気持ちを大切にするということです


七、房舎施(ぼうしゃせ)


房舎施は、自分の家を提供する事を言います

今では難しいですが、かつては旅の僧侶などを家に招いて、泊めてあげるなどがありました

そのように自分の家などを貸してあげる事を言います

現代では知らない人を宿泊させるのは防犯上難しいですが、旅行者などに優しくしたり、道案内してあげたり、傘を貸してあげるなどがあげられるでしょう


上記であげましたように、言葉で理解するだけでなく、具体的な愛の実践をすることが大切です

愛の実践が広まれば、それだけこの世は理想郷に近づいていきます

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