ホルムズ海峡の再封鎖が家計に届く連鎖と、今できる備え

2026年7月13日月曜日

スピリチュアル 国際政治 戦争


2026年7月、イランがホルムズ海峡の「再封鎖」を宣言しました。

6月にいったん結ばれた米・イランの停戦覚書が、タンカーへの攻撃と報復で崩れ、戦闘が再び火を噴いたためです。


ただ、「閉じた」という一言ほど現場は単純ではありません。オマーン寄りの南側航路は物理的にはまだ通れます。

その一方で、そこを進んでいたコンテナ船が攻撃を受けて炎上し、乗組員が行方不明になりました。

海の警戒度は最高レベルに据え置かれ、国際機関は安全が確認できるまで通航を避けるよう勧告しています。

日本に関係する船の多くも、すでに湾の外へ退きました。

遠い海の出来事に見えて、この一本の水路は私たちの台所や車の燃料と地続きです。

だからこそ、怖がるためではなく、落ち着いて足元を整えるために、いま何が起きているのかを一度そろえておきたいと思います。

三つの供給が、同時に細くなった

エネルギーを巡って、三つのルートが同じ時期に細くなっています。

一つは、中東です。米国とイランの停戦は白紙に戻り、7月7日に米国がイランへの攻撃を再開しました。

イランは12日、ホルムズ海峡を再び閉鎖し、安定が戻るまで通航を許可しないと表明しています。

攻撃の矛先はタンカーからコンテナ船へと広がり、報復は湾岸諸国やヨルダンにある米軍の施設にも及びました。

米国は「海峡は開いている」と主張しますが、通れることと、安全に通れることは別の話です。


二つは、ロシアです。国内の製油所が相次ぐ攻撃で傷つき、ガソリンや軽油の輸出が絞られています。

三つは、代わりの調達の難しさです。中東からもロシアからも同時に供給が細るとき、世界は急いで代役を探し合います。奪い合いになれば、価格は上を向きます。

私たちは、一本の海峡が閉じるだけで暮らしが揺れるほど、細い糸の上に立っています。

それでも、先を読み、備える力を持っている。その力を使う時が来たのではないでしょうか。

霊的な視点でこの状況を観るとき、これは単なる地政学の混乱ではないと感じます。「物質的な豊かさのサイクルの変容」が、いま形を変えて動き始めている。

物が届かない、燃料が足りないという状況の中で、人は初めて「本当に必要なもの」を問い直します。混乱のただ中にこそ、目覚めの種が眠っているのです。


石油は「燃やすもの」だけではない

原油から作られるのは、ガソリンや灯油だけではありません。

ナフサという原料は、プラスチック、合成樹脂、包装材、医療用品、自動車部品の起点になります。日本はこれを輸入に頼る比率が高く、価格の波を受けやすい立場にあります。

LPG(液化石油ガス)は家庭ガスだけでなく、工場の熱源にもなります。中東への依存度が特に高く、ホルムズ海峡の影響がそのまま届きます。

硫黄は、原油を精製するときに大量に回収される副産物です。硫酸になり、肥料、半導体、電池、化学工業を支えます。精製量が減れば、硫黄も減ります。

窒素肥料は天然ガスを大量に使って作ります。ガス価格が上がると肥料が上がり、農家のコストが上がり、やがて野菜や米の値段に届く。しかもロシアは世界有数の肥料輸出国です。燃料と肥料、二つの面から同時に圧力がかかる構造になっています。

ディーゼル燃料はトラック、船、建設機械、農機を動かしています。ここが細ると、物が「作れない」のではなく「運べない」という問題が起きます。

さらに、アンモニアが不足すると尿素が減り、ディーゼル車の排ガス処理に使うAdBlueにまで影響が及ぶ。ディーゼルが走れなければ、食品も薬も運べなくなる。一つのつまずきが、離れた場所の別のつまずきを生む連鎖です。

アルミニウムのような金属も無縁ではありません。直接石油から作られるわけではありませんが、精錬には膨大な電力を使い、鉱石の運搬にも燃料がいる。電気代、海上輸送費、ディーゼル不足、港の混雑が重なると、供給量が減って価格が跳ねる余地が出てきます。

各国の備蓄が時間を稼いでいる。ただし限りがある

なぜ今のところガソリン代が「思ったほど上がっていない」のか。二つの力が支えています。

一つは、日本政府の補助金です。
※ 日本政府は燃料油価格激変緩和補助金によって、ガソリン・灯油・軽油・重油の小売価格を補助しています。国際原油価格の上昇分の一部を補助金で吸収しているため、店頭のガソリン価格はそのまま市場価格を映していません。この補助が続く間は「上がり方が緩やか」に見えますが、補助の規模にも財政上の限界があります。
もう一つは、各国が戦略備蓄を放出していることです。日本、米国、欧州の主要国はIEAの枠組みで協調し、備蓄石油を市場に供給することで、急激な供給不足を和らげています。

この「緩衝材」が今、私たちの暮らしを守っています。

しかし、備蓄は使えば減ります。IEAの加盟国は90日分の備蓄維持を義務とされていますが、大量放出が続けばその余裕は削られていきます。補助金にも財政の限界がある。

ここで見落としてはならないのは、この緩衝材が機能し続けるには、一つの前提が必要だということです。

その前提とは、当事者が対話のテーブルに戻ること。

備蓄を放出しながら時間を稼ぐことはできます。しかし、その時間の間に和解への道が開かれなければ、やがて備蓄は底をつく。補助金の原資も細る。そのとき、価格は一気に動きます。

いま問われているのは、武力ではなく対話の勇気ではないでしょうか。

暮らしへの影響は「段階的に」届く

影響は一気に来るのではなく、段階を踏んで広がっていきます。

第一段階は、ガソリン・軽油・灯油の値上がりです。配送コストが上がり始め、ニュースはエネルギー情勢を大きく扱います。

第二段階は、食品への転嫁です。野菜、牛乳、卵、冷凍食品、パン。輸送費が価格に乗り始めます。通販の送料も見直される可能性があります。

第三段階は、日用品です。ナフサ不足が包装材やプラスチック製品に響き、トイレットペーパー、ラップ、洗剤、おむつなどが値上がりしやすくなります。肥料高が農家のコストを押し上げ、野菜や米にも波が届きます。

第四段階は、品薄の可能性です。給油制限、一部食品の欠品、車の部品や家電の納期遅延。特にディーゼルが細ると、ものが存在しても流通できない状況が起こり得ます。

今日からできる、五つの備え

大げさな買い占めは必要ありません。普段の暮らしに少しだけ厚みを持たせる。それだけで十分です。

1. ローリングストックを意識する
米、乾麺、缶詰、レトルト食品を一〜二か月分ほど。使った分だけ買い足す「回す在庫」が、家計の負担を最小にしながら安心を作ります。

2. 日用品の在庫を少し厚く持つ
トイレットペーパー、ティッシュ、ゴミ袋、洗剤。いつも使うものを少し多めに。これは「備え」ではなく「暮らしの延長」です。

3. 燃料は半分で入れる習慣を
車を使う家庭は、燃料が半分を切ったら早めに給油する。これだけで、急な価格上昇や品薄に慌てずに済みます。

4. 灯油はシーズン前に準備する
灯油を使う地域は、需要が集中する前に確保しておく。今年の秋口は早めの手配を検討してください。

5. 情報と距離を置く時間を作る
ニュースは大切ですが、見続けると心が疲れます。一日の中でニュースを見ない時間、自然や人とつながる時間を意識して作る。心が落ち着いていると、判断も正確になります。

備えは、恐れの裏返しではない

海の向こうの出来事は、自分の手では動かせません。

しかし、手の届く範囲を整えることはできます。棚に少しの余裕を持たせ、燃料が半分になったら補充し、情報に流されすぎない時間を守る。そうした「小さな日常の整え」こそが、嵐の中でも足元を安定させます。

備えとは、恐れではなく、信頼から生まれるものです。私は未来を決定論的に語る気はありません。しかし、備える人は慌てない。慌てない人は、周囲を安心させることができる。

あなたの穏やかな一日が、あなたの周りの人の穏やかな一日にもつながっていきます。

どうか、今日も心穏やかに過ごされますように。

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