魂の目覚めに必要な体験とは|悲しみと苦しみが魂を呼びさます

2023年11月16日木曜日

スピリチュアル

私たちは、物質である肉体に宿って、この世へと生まれてきます。けれど私たちのもとの姿は、肉体ではありません。もとの姿は魂であり、本来は物質の制約を超えた、自由でのびやかな存在です。それなのに、わざわざ重たい肉体に宿り、地上という制限の多い場所で生きていく。なぜそんなことをするのか、不思議に思ったことはないでしょうか。

その答えは、スポーツのルールを思い浮かべると見えてきます。サッカーで手を使ってはいけないという決まりがあるからこそ、足だけでボールを操る技術が磨かれ、そこに喜びが生まれます。もし何でもありなら、上達する楽しさも、できなかったことができるようになる感動も生まれません。地球という星は、魂にとってそういう場所です。制限があるからこそ、その中で工夫し、努力し、乗り越えていく喜びを味わえる。私たちはその喜びを求めて、自ら望んでこの地上にやってきました。

地上に生まれると、魂は肉体の奥に眠る

ところが、地上に生まれた瞬間から、ひとつの変化が起こります。それまで自由だった魂が、肉体の深いところへと眠ってしまうのです。生まれたばかりの私たちは、自分がもともと魂であったことを忘れています。目に見えるもの、手で触れられるものだけが現実だと感じ、肉体こそが自分そのものだと思い込んでいきます。

これは失敗でも不幸でもありません。むしろ、地上での体験を本気で味わうために必要な仕組みです。もし生まれながらにすべてを覚えていたら、地上の出来事はどこか他人事のように感じられ、心から悲しんだり喜んだりできなくなってしまいます。忘れているからこそ、私たちは一つひとつの出来事に本気でぶつかれる。眠りは、深く生きるための準備でもあるのです。

とはいえ、眠ったままでは、せっかく地上に来た意味が薄れてしまいます。どこかで魂は、もう一度目を覚ましていく必要があります。問題は、その目覚めが何をきっかけに起こるのか、ということです。

魂を呼びさますのは、深い体験

何不自由のない毎日を、何の抵抗もなく過ごしているとき、魂はおだやかに眠り続けています。すべてが思いどおりに進み、心が波立たない日々は、心地よいものです。けれど、その心地よさの中では、私たちはあえて自分の内側を見つめようとはしません。表面のことだけで一日が満ち足りてしまうからです。

魂が深いところから動きはじめるのは、たいてい、心が大きく揺さぶられたときです。それは悲しみであったり、苦しみであったり、自分の力ではどうにもならないと感じる出来事であったりします。大切な人との別れ、思いがけない病、努力が報われなかった経験。そうした出来事に直面したとき、私たちは初めて「自分とは何なのか」「この人生に意味はあるのか」と、深く問わずにいられなくなります。その問いこそが、眠っていた魂を内側からノックする音なのです。

だからといって、私は苦しみをすすめたいわけではありません。つらい体験をわざわざ探しに行く必要はないし、悲しみそのものが尊いわけでもありません。ただ、生きていれば、望まない出来事は誰のもとにもいつか訪れます。避けようとしても避けきれない悲しみが、人生にはあります。私がお伝えしたいのは、その避けられない出来事が、後から振り返ったときに、魂をひとまわり深くしてくれることがある、ということです。

意に反した出来事にも、意味がある

私たちが地上で出会う、意に反した出来事。それらは、私たちを罰するために起こるのではありません。魂が、自分自身を思い出していくための、深い体験として用意されています。やわらかい土をいくら踏んでも形は残りませんが、深く耕された土には、種を蒔くことができます。悲しみや苦しみは、私たちの心という土を、ゆっくりと耕してくれるのだと、私は感じています。

今まさにつらさのただ中にいる人に、私は「これには意味がある」と急いで言いたいのではありません。苦しいときは、苦しいと感じていていいのです。意味を見つけられるのは、たいてい、もっとずっと後になってからです。今は、ただ、その時間をくぐり抜けていくだけで十分です。あなたの魂は、その体験のあいだも、静かに目を覚ましつつあります。あなたが思っている以上に、あなたは深いところで成長しています。

いくつもの悲しみをくぐり抜けたあと、人は不思議とやさしくなります。同じ痛みを抱える誰かの隣に、そっと座れるようになります。それは、魂が目覚めた人だけが持てる、あたたかさです。あなたが今体験していることも、いつかきっと、誰かを照らす光に変わっていきます。

今日からできること

一つ、苦しみを探しに行かない。魂を深めるために、わざわざつらい体験を求める必要はありません。人生で避けられず訪れるものだけで、魂はじゅうぶんに育っていきます。

一つ、つらいときは、つらいと認める。無理に前向きになろうとしなくて大丈夫です。悲しみをそのまま感じることも、魂が目覚めていく大切な過程の一部です。

一つ、すぐに意味を求めない。出来事の意味は、後からゆっくり見えてきます。今はただ、その時間をくぐり抜けることだけを考えてください。

一つ、自分のもとの姿を思い出す。あなたは肉体だけの存在ではなく、もともと物質を超えた魂です。一日に一度、そのことを思い出す時間を持ちましょう。

一つ、同じ痛みを持つ人にやさしくする。あなたがくぐり抜けてきた体験は、いつか誰かに寄り添う力に変わります。その力を、身近な誰かのために少しだけ使ってみてください。

悲しみが魂を呼びさます仕組みの全体像は、生きづらさ完全ガイドで章ごとにたどれます。

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