同じ出来事に出会っても、ある人の心をさらりと通り過ぎていくものが、別の人の心には深く刺さって、長く抜けないことがあります。
たとえば友人からの何気ない一言が、いつまでも頭から離れず、夜眠るときにまで繰り返し蘇ってくる。
そんな経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。
当の友人は深く考えずに口にしただけで、あなたを傷つけるつもりなどなかったのかもしれません。
周りの人たちは、同じことを言われても、しばらくすると忘れてしまったり、最初から気にも留めなかったりします。
どうして自分だけがこんなに引きずってしまうのだろうと、自分を責めてきた方も多いと思います。
けれども私は、その傷つきやすさを弱さだとは考えていません。
それは繊細な魂を持って生まれてきた方の特徴であり、霊的に見れば大切な役割を帯びた性質なのです。
なぜ人より深く傷つくのか|魂の感度という視点
私たちはふだん、心の感じ方は誰でも同じだと思い込みがちです。
しかし実際には、魂にはそれぞれ固有の感度があります。
録音用のマイクにたとえるなら、街の喧騒だけを拾う標準のマイクと、葉ずれの音や虫の羽音まで拾い上げる高感度のマイクがあるようなものでしょう。
高感度のマイクは繊細な音楽を録るために欠かせない道具ですが、騒がしい場所では音が割れてしまいます。
繊細な魂もこれと同じで、深く感じ取る力があるぶん、強い言葉や荒い感情にさらされると人一倍の痛みを受けてしまうのです。
つまりあなたが傷つきやすいのは、心が壊れているからではなく、心の受信感度がもともと高く設定されているからだと言えます。
繊細な魂は何のために生まれてくるのか
繊細な魂を持つ方は、普通なら感じ取れないところまで過敏に感じ取り、そのぶん深く考え込んでしまうところがあります。
生き辛さを感じてしまう場面も、たくさんあると思います。
けれど、その繊細さには、ちゃんとした霊的な意味があるのです。
もしこの世に繊細な魂を持つ方々が生まれてこなかったら、文学も、音楽も、絵も、舞踏も、ここまで深くは育ちませんでした。
地球はずっと味気ない星にとどまっていたはずです。
物事を深く感じ取る力があるからこそ、文化や芸術に深みが生まれます。
そして、自分が傷ついた経験を持つからこそ、他の方の痛みに寄り添うことができるのです。
地球のあちこちに、人をいたわる気持ちや小さな思いやりが灯っているのは、繊細さを生きてくださっている方々のおかげだと、私は思っています。
ハートチャクラの働きと傷つきやすさの関係
胸の中央には、ハートチャクラと呼ばれる霊的な中枢があると伝えられています。
ハート以外にも、頭頂や腹部、喉などに合わせて七つの主要なチャクラがあり、それぞれが役割を分担しているのです。
このハートのチャクラが活発に働いていて、ほかのチャクラが少し弱い状態だと、繊細すぎる傾向が外側に出てきやすくなります。
心の柔らかさが先に動いてしまって、自分を支える土台が間に合わない、という状態です。
逆に、頭部のチャクラだけが活発で他が弱い場合には、知識偏重になってしまうことがあります。
胸の感覚を置き去りにして頭だけで物事を判断しようとするため、当人もだんだん疲れてくるのです。
一人ひとり、チャクラの活性度の組み合わせは違います。
ご自身がどのバランスで生まれてきているかを知ると、繊細すぎる自分や考えすぎる自分を、責めずに済むようになっていきます。
守るための鎧が、いつしか自分を傷つける
傷つきやすい方ほど、自分が傷つかないようにと、必死に鎧をまとって生きています。
人前では明るく振る舞う、本音を出さない、何を聞かれても「大丈夫」と答える。
どれも、ご自身を守るためのささやかな工夫でした。
けれども、その鎧が大きくなりすぎると、今度は鎧の内側で、自分の肌を擦り傷だらけにしてしまいます。
守るためにまとった重さが、結果として自分を疲れさせ、傷つけていくのです。
これは多くの繊細な方が、知らずに通っていく道だと思います。
そうなったときには、少しずつでいいので、鎧を脱いでいきましょう。
一気に全部を外す必要はありません。
そして鎧を外しながら、子供のころに好きだったものや、誰といるときに自分らしくいられたかを、一つひとつ思い出してみてください。
余計な粉飾を外すというのは、強くなる作業ではなく、もとから備わっていた光をまた見えるところに戻してあげる作業なのです。
前世の記憶が、いまの繊細さをつくっている
繊細な魂をお持ちの方の多くは、前世で誰かを深く愛して、深く悲しんだ経験を持っています。
家族や恋人を看取った記憶、大切な人を災害や戦争で失った記憶。
そうした濃い感情の記録が魂の中に残っているので、今世でも、人の悲しみに人一倍敏感に反応してしまうのです。
地層に過去の気候が刻まれているように、魂にも過去の愛と悲しみが層になって刻まれています。
なぜここまで傷つきやすいのかが過去の記憶として説明がつくと、少し肩の力が抜けてくるでしょう。
「私は弱いから傷つくのではなく、深く愛してきたから傷つきやすいのだ」と、見方が変わっていきます。
繊細な人が選びやすい仕事と、長く続ける作法
繊細な方が結果として選びやすい仕事には、看護、介護、保育、相談業務、福祉、教育、文筆、絵を描くこと、音楽を奏でることなどがあります。
どれも、人や世界の繊細な部分に触れる必要がある仕事です。
このような道を歩んでいるなら、あなたの繊細さは大きな財産になります。
同時に、人より早く消耗しやすい体質でもあるのです。
休む時間を意識的に確保し、家に持ち帰った他の方の感情をそのままにしないこと。
これが、繊細さを生かしながら長く続けるための作法になります。
「考えすぎ」と言われて、さらに傷ついたときは
傷つきやすい方が、家族や近しい方から「気にしすぎ」「考えすぎ」と言われて、さらに傷つくということがあります。
言った側に悪意はなく、なんとか元気づけたいという気持ちから出てきた言葉でしょう。
けれど繊細な方には、その「考えすぎ」というひと言が、また新しい刺さりになってしまいます。
そんなときは、心の中で「気にしてしまう、それが私らしさです」と短く唱えてみてください。
誰かにわかってもらえなくても、自分自身が自分を認めてあげるだけで、傷の入り方がだいぶ違ってきます。
今日からできる、ハートチャクラの整え方
ハートチャクラが敏感に開いている方は、人混みや騒がしい場所で疲れやすい傾向があります。
週に一度でいいので、一人になる時間を意識的に取ってあげてください。
静かな部屋で深呼吸をしながら、両手のひらを胸の中央に重ねます。
「今日もよく頑張ってくれてありがとう」と心の中で唱えると、ハートチャクラに溜まった他の方々の感情が、ゆっくりほどけていくでしょう。
夜眠る前には、その日に出会った嫌な言葉や場面を、一つひとつ「これは私のものではありませんでした」と心の中で返していくのも良い習慣です。
返しきれない大きなものは、お風呂のお湯に流すイメージで、湯船から出るときに置いていきます。
さらに小さな一歩として、今日は信頼できる一人にだけ本音を話してみる、明日は断りたかった用事を一つだけ断ってみる。
そんな積み重ねで、鎧は少しずつ軽くなっていくのです。
あなたの繊細さは、世界の優しさを支えている
傷つきやすさは、欠点ではありません。
それは、誰かの痛みに気づける力であり、人の話を本気で聴ける力でもあります。
この世が魂の学び舎であるなら、あなたの繊細さは、深い学びのために自ら携えてきた大切な道具なのでしょう。
無理に強くなろうとしなくて大丈夫です。
鎧を少しずつ脱ぎながら、ご自身の繊細さを大切に育てていってください。
その姿勢そのものが、ハートチャクラを通して、まわりの方々の心を温めていきます。
あなたが今日まで深く感じ、深く傷つきながら歩いてきたこと自体が、この世界に優しさを灯し続けてきた証なのです。
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