人は、いろいろな場面で傷ついて生きています。
恋人から投げつけられた冷たい一言、親友だと思っていた人からの裏切り、親の口から出た否定的な言葉。そういうものが心に突き刺さって、私たちは何度も血を流してきました。何年経っても、ふとした拍子に思い出してまた痛む傷もあります。
そしていつの間にか、もう二度と傷つきたくないと願うようになります。鎧を着込み、心の扉を閉じ、亀のように固い甲羅の中へ引きこもる。誰の視線も届かない場所で、ただ静かにまどろんでいたい。そう願う夜が、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。
閉じこもったあとに残る、あの空洞について
人との交流を断ち、コミュニケーションを拒絶し、まどろみの中で日々が過ぎていくことを願う。そこには確かに安全があります。誰にも邪魔されず、誰にも傷つけられない世界。一見すれば、ようやく手に入れた安らぎのようにも見えます。
けれど、しばらくそうしていると、ふと胸の奥にぽっかりとした空洞があることに気づきます。誰かに踏み込まれたわけでもないのに、なぜか苦しい。
その穴は深くて、真っ黒で、覗き込むのが怖い。何か禍々しいものが奥でうごめいているような気がして、つい目をそらしてしまう。
多くの人がこの穴をなかったことにして生きています。仕事に没頭したり、SNSを眺め続けたり、お酒や買い物で気を紛らわせたり。蓋をすればするほど、穴は静かに広がっていくのですが、その広がりにはなかなか気づきません。
深淵の底に潜んでいたもの
勇気を出してその穴を覗いてみると、奥に何かがいます。怪物でもなく、誰かの亡霊でもない。
そこにいたのは、自分自身でした。否定され続け、嫌われ続け、見捨てられたと感じてきた、いちばん幼い頃の自分の姿。
自分と向き合うのが怖くて、私たちは長いあいだ立ち止まっていたのです。深淵の底でうずくまっていたあの子を直視できないまま、表面だけ大人として生きてきた。
恐ろしいモノの正体に気づいた瞬間、ひとつの事実が静かに浮かび上がってきます。
本当に私を傷つけていたのは誰だったのか
恋人の言葉も、親友の裏切りも、親の否定も、確かに痛みを与えました。それは事実です。理不尽な扱いを受けたのなら、怒っていい場面もたくさんあったでしょう。
でも、その傷を何年も何十年も生かし続け、毎晩自分に語り直し、繰り返し血を流させていたのは誰だったでしょうか。
「あのとき自分はダメだった」
「やっぱり自分には価値がない」
「どうせまた嫌われる」
こう囁き続けていたのは他人ではありません。自分自身の声でした。
外からの一撃は一度きりでも、内側からの攻撃は何千回でも繰り返されます。本当に深く長く自分を傷つけていたのは、自分自身だったのです。
加害者をやめる、という選択
気づいたなら、もうやめてもいいのです。自分を否定すること。自分を嫌悪すること。自分にだけ厳しい言葉を投げかけること。
他人にはあれほど寛容なのに、自分にだけは決して許さない。そういう癖を、そっと手放していきましょう。やめていいと自分に許可を出すところから始まります。
深淵の底にいた自分は、それほど悪い存在ではありませんでした。怯えていただけ、寂しかっただけ、ただ抱きしめてほしかっただけ。
傷つける役を降りて、今度は癒す側にまわりましょう。自分を傷つけているのが自分自身なら、自分を救えるのもまた自分自身です。これは外から誰かを呼んでこなくても、今すぐ始められる仕事です。
愛するという行為を、自分に向けて
誰かに愛されたい、認められたい、大切に扱われたい。その願いはとても自然なものです。
けれど、自分が自分に与えていないものを、他人から受け取り続けることはできません。器が空っぽのままでは、誰が水を注いでも漏れてしまいます。注ぐ側もやがて疲れて去っていきます。
今日から少しずつ、自分に優しい言葉をかけてみてください。鏡の中の自分に「お疲れさま」と言うだけでもいい。失敗した日に「よく頑張ったね」と声をかけるだけでもいい。
そうやって器を満たしていくうちに、人の言葉も以前ほどは刺さらなくなっていきます。鎧を脱いでも大丈夫な日が、少しずつ近づいてきます。傷ついた過去はなくなりませんが、それを毎晩繰り返し殴る役目から、ようやく解放されるのです。
今日からできること
1. 寝る前に一日を振り返り、自分を責めた瞬間を一つだけ思い出す
2. その自分に「そう感じたのは無理もない」と声をかけ直す
3. 鏡の中の自分に「お疲れさま」を言う習慣をつくる
4. 心の奥の空洞を、ふさぐのではなく覗いてみる時間を週に一度持つ
5. 他人に向けている優しさの十分の一でいいので、自分に向けてみる
自分を傷つける仕組みから抜け出す道のりは、生きづらさ完全ガイドでも順を追って案内しています。
↓一日一回のクリックが、このブログの灯を守ってくれます応援いただいたあなたに、幸せが届きますように祈ります
このブログでお伝えしているのは、魂の旅路への入口となる話です。
もっと深く学びたい方、満月の一斉ワークに加わりたい方は、スピリチュアルスクールでほぼ毎日メッセージをお届けしています。
ブログには書けない霊的な実践も、ここでお話ししています。
関連記事


新刊『ソフィアの森で見つけた幸せの鍵』