その実感が、ときに重く感じられた経験はないでしょうか。
とりわけ、自分に好意を寄せている異性から強い思いを向けられると、原因のはっきりしない倦怠感や体調の崩れに襲われる方がいらっしゃいます。
これは決して気のせいではありません。
古くから人の念は見えない力として、相手の心と体に届くと伝えられてきました。
今日は、異性からの念や生霊を受けてしまったときに、どのように身と心を守ればよいのか、私の言葉でお伝えしていきます。
異性からの念・生霊とは何か
人の思いには、目には見えない力が宿ります。
強く相手を想う気持ちは、ときに念となって、その人のもとへと届きます。
これが良い形で働けば祈りや願いとなり、相手を支える力にもなるでしょう。
しかし執着や独占欲を伴う念は、相手の身体に重く垂れ込め、エネルギーを奪うように作用してしまうのです。
この、生きている人間から強く飛んでくる念のことを、昔から生霊と呼んできました。
『源氏物語』が描いた生霊の真実
生霊の存在は、決して新しい話ではありません。
平安時代に紫式部が記した『源氏物語』には、すでに生霊の姿がはっきりと描かれています。
物語の中で光源氏に深く想いを寄せた六条御息所は、源氏の心が次第に離れていくのを感じ、強い嫉妬と苦悩に支配されていきました。
やがて彼女の念は本人の意思を離れて魂から飛び立ち、光源氏が新たに愛した夕顔や、正妻である葵の上に憑き、ふたりの命を奪ったと記されています。
千年以上前の物語が、これほどまでに鮮やかに生霊の働きを描いているという事実は、人の念が時代を超えて私たちに作用してきた何よりの証ではないでしょうか。
女性と男性で異なる念の向かう先
興味深いのは、念の向かう先には男女で違いが見られる点です。
女性の場合、好きな男性そのものよりも、その男性が選んだ別の女性に強い念が向かう傾向を見せます。
『源氏物語』の六条御息所が源氏ではなく夕顔や葵の上を襲ったのは、まさにこの心の働きを表しているのでしょう。
一方で男性の念は、まっすぐお相手の女性そのものへと向かいやすい性質を帯びます。
恋愛感情のもつ独占欲は、ときに思いがけぬ形で相手を苦しめてしまうのです。
異性からの念が身体に及ぼす影響
異性からの強い念を受け続けると、人は体調にさまざまな不調を抱えるようになります。
女性が男性から重く念を受けた場合、婦人科系の不調として現れることが多いと伝えられます。
男性が女性から念を受けた場合は、原因不明の倦怠感や腹部の重さ、胃の不調などにつながることもあるのです。
美人薄命という言葉が古来語り継がれてきたのも、多くの異性から念を集めやすい方ほど、その影響を受けて波乱の人生を歩む方が多かったからかもしれません。
持って生まれた魅力は本来祝福であるはずなのに、それが重荷となってしまう。
そこには見えない世界の事情が、確かに横たわっているのです。
異性からの念・生霊への具体的な対処法
1. 念を飛ばしている相手に直接伝える
もっとも穏やかな解決は、念を送ってきている相手に伝えることです。
多くの場合、本人には飛ばしている自覚が持てません。
「最近、あなたのことばかり考えてしまって苦しい」と無意識に強く思っているうちに、その念がエネルギーとなって相手へ届いているのです。
直接お話しできる相手であれば、気持ちはありがたいけれど強く想い続けないでほしいと、素直に伝えることでふっと軽くなる方もいらっしゃいます。
2. 直接伝えられないときの心の中での対話
立場や関係から、直接言葉にできないお相手もいらっしゃるでしょう。
そのような時は、目の前に相手がいると想像して、心の中で言葉にしてみてください。
あなたの幸せを願っています、ですから私への念は手放してくださいと、優しく、しかしはっきり伝えるのです。
相手の魂は、言葉の表面ではなく、こちらの心の真の願いを受け取ってくれます。
3. 鏡を用いて念を返す古来の作法
古くから生霊を返す道具として、鏡が用いられてきました。
小さな手鏡を首から下げて持ち歩いたり、衣服の内側に縫いつけたりする習わしが各地に残っています。
部屋の入口に、入ってくる方向へ向けて鏡を置く方法も知られた知恵です。
鏡には飛んできた念を映し返し、もといた場所へ送り返す働きがあると伝えられてきました。
4. 心という鏡を磨く|もっとも根本的な対処
そして何より大切なのは、自分自身の心を磨くことです。
鏡の比喩には、もうひとつ深い意味が込められています。
私たちのこころが汚れて、ホコリや泥にまみれた状態であれば、相手の念はそこに吸い寄せられるように張り付きます。
しかしこころが澄み、磨かれた鏡のような状態であれば、念は留まる場所を見つけられず、もとの送り主のもとへ自然に返っていくのです。
外側の鏡を持つことも有効ですが、本当の意味で身を守ってくれるのは、内側の鏡の輝きに他なりません。
今日から始められる三つの実践
では、こころの鏡を磨くために、今日から何ができるでしょうか。
ひとつ目は、一日の終わりに静かな時間をつくり、その日に湧き起こった感情を見つめなおすことです。
怒り、嫉妬、執着。
どの感情も悪いものではありませんが、抱えたまま眠ってしまうと、こころの鏡はゆっくりと曇っていきます。
ふたつ目は、誰かを許す練習です。
許せない相手を心の中で一人思い浮かべ、あなたにも幸せがありますようにと短く祈ってみてください。
みっつ目は、自然に触れる時間を意識的にもつことです。
木々のそよぎや水のせせらぎ、夜空の星は、私たちの内側にたまった重い思いを静かに洗い流してくれます。
おわりに|見えない影響を恐れない強さへ
異性からの念や生霊と聞くと、どこか怖ろしいものに感じられるかもしれません。
けれどもそれは結局のところ、人と人とのこころが見えない糸で結ばれている証でもあるのです。
念に振り回されるのではなく、その存在を知ったうえで、自分のこころを清らかに整えていく。
その日々の積み重ねこそが、あらゆる見えない影響から私たちを守る、もっとも確かな霊的作法となります。
あなたのこころが磨きあげられた鏡のように澄んで、明日もまた静かな光を返していかれますように。
念や生霊から心を守る作法は、生霊・悪霊・憑依から身を守る完全ガイドに章立ててまとめています。
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