先週から、大雨はこれから北へ上がるとブログに書いてきました。
Xでも同じことを何度か伝えています。
予報を書き写したのではなく、雨の勢いがどちらへ動こうとしているかを見ての注意でした。
書いた以上は当たってほしくない。
そういう気持ちで書く記事が、年に何度かあります。
予告していた雨雲が、実際に北へ上がってきた
そして実際に、関東へ向かう雨雲は形になりました。
伊豆諸島では大島町・利島村・新島村に土砂災害の特別警報が出され、警戒レベル5の緊急安全確保まで進んでいます。
レベル5は「これから避難してください」という段階を通り越した合図で、その場でいちばん安全な場所へ移るしかない状況を指します。
島という逃げ場の限られた土地でそこまで出たことの重さを、ニュースの短い扱いだけでは受け取りにくいかもしれません。
福島県いわき市では、冠水したアンダーパスで車が水に沈み、救助された60代の女性が搬送先で亡くなりました。
アンダーパスで起きること
アンダーパスは周りの道より低い場所につくられています。
水は必ずそこへ集まる。
走っているあいだは、前方の水たまりがくるぶしの深さなのか胸の高さなのか、運転席からは分かりません。
夜であればなおさらです。
いったん車体が浸かると、外側の水圧でドアは内側から開かなくなります。
窓を割る道具を積んでいる人は少ない。
エンジンが止まってから慌てて考え始めても、水位は待ってくれません。
迷ったら引き返す、という判断がいちばん早く命を守ります。
少し遠回りになったところで、失うものは時間だけです。
上陸の手前で、雨雲はまとまりを失った
ただ、関東へ入るはずだった雨雲は、上陸の手前でまとまりを失いました。
私自身、気象衛星の画像を何度も切り替えながら追っていたのですが、ひとつの塊だったものが解けて散っていく様子がはっきり見えたのです。
同じ量の水でも、一箇所へ落ちるのと広く分かれて落ちるのとでは、地上の受け方がまるで違います。
ひとつにまとまったまま落ちれば、川は一気に増え、下水は吐き出す先を失い、その地域は逃げる時間を奪われます。
散って落ちれば、同じ雨量でも土地はなんとか飲み込める。
今回、首都圏で起きたのは後者でした。
もとの勢力のまま入っていたら、先日の千葉豪雨と同じ規模の被害が、首都圏の広い範囲で出ていたはずです。
あれが一箇所ではなく何箇所も同時に起きている光景を想像してみてください。
それが起きなかったことを、私はただの偶然だとは受け取っていません。
祈りは、境目にあるものをわずかに押す
被害が軽くなるようにと祈られた方が、各地にいました。
Xやブログを読んで、その日のうちに手を合わせてくださった方もいます。
祈りで雨雲そのものが消えるわけではないでしょう。
それでも、崩れるか保つかの境目にあるものを、崩れる側へわずかに押すことはできます。
自然の大きな流れの中には、どちらへ転んでもおかしくない箇所がいくつも含まれていて、そこに人の思いが触れると、傾きが変わる。
今回はその押し方が、雨雲を散らす方向へ働いたと感じています。
祈った人は、自分の祈りが何に効いたのかを知らないまま日常に戻っていきます。
効き目が見えないところに置かれているのが、祈りという行いです。
手応えが返ってこないので、たいていの人は途中でやめてしまう。
続けられる人が少ないぶん、続ける人の働きは大きくなります。
能登半島の周辺は、地盤がもう水を含みきっている
まだ終わっていません。
秋雨前線は日本の上に居座ったままで、今日から明後日にかけて各地で雨が強まる見込みです。
とくに強く注意していただきたい場所が二つあります。
ひとつは能登半島の周辺です。
先日の大雨で地盤がもう水を含みきっていて、これまでなら持ちこたえていた斜面が、次の雨で動く可能性があります。
同じ量の雨でも、乾いた土地に降るのと、飽和した土地に降るのとでは意味がまるで違う。
地震のあとの復旧が続いている地域でもあり、土そのものが緩んだままです。
裏に斜面を背負っているお宅は、雨が本降りになる前に、山側の部屋から離れて寝る場所を移しておいてほしいのです。
夜中に崩れたとき、寝ている位置が一部屋ぶん違うだけで結果が変わります。
東海から関東は、木曜にかけて
もうひとつは東海から関東にかけてです。
木曜にかけて再び大雨になる恐れが出ています。
今回上陸の手前で散った雨雲の分が、そのまま帳消しになったわけではありません。
前線が同じ場所に残っているかぎり、水は繰り返し送り込まれてきます。
次に来るものが同じように散る保証はどこにもない。
この地域にお住まいの方は、この二日ほどは空と気象情報から目を離さないでください。
自分の住む地域に警報が出ていないうちは、どうしても他の土地の出来事に見えます。
その感覚がいちばん危ない。
今日のうちにできること
- 避難場所までの道を、明るいうちに一度歩いてみましょう。夜の雨の中で初めて通る道は、昼間の道とは別物です。
- 車の燃料は今日のうちに満たしておく。停電すれば給油ができません。
- 風呂に水を張り、スマートフォンとモバイルバッテリーを満充電にしておきましょう。断水と停電は、たいてい一緒に来ます。
- 自宅の周辺のハザードマップを開いて、色のついている場所を目で確かめてみてください。自分の家がどの色の上に建っているかを知らない人は、思っているより多いはずです。
- 一階に大事なものを置いているなら、今日のうちに上の階へ動かしましょう。水は、こちらの都合を待ってくれません。
- そして、被害が軽くなるように祈ってください。遠くの土地のことでも構いません。祈りは距離を必要としない働きです。
空を見ながら
これから雨の中へ入っていく地域にお住まいの方が、どうか無事にこの週を越えられますように。
備えることと祈ることは、どちらも同じ方向を向いています。
両方を手放さずにいる人のところには、必ず助けが回ってくるはずです。
空を見ながら、こちらからも祈っています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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