「もっと南の海ではないか」。七月三十日の記事に、私はそう書きました。年内のうちに津波の被害が起こる気配を感じている。日本列島での発生というより、もっと南の海ではないか。そう記したのが半月前でした。それが現実になったいま、なぜ今この時期に、地球のあちこちで大地が同時に動いているのでしょうか。
八月十五日の早朝、インドネシアのフローレス島沖でマグニチュード7・7の地震が起きました。現地では津波が観測され、家屋が倒れ、学校や病院といった公共の施設にも深刻な被害が出ています。
当たったと胸を張りたいのではありません。半月で現実になったことに、私はまだ気持ちの整理がついていない状態です。
七月に書いた「南の海の津波」が現実になりました
七月二十八日、熊本県で最大震度7の地震がありました。気象庁が「令和8年熊本地震」と名づけた、あの揺れです。その二日後に公開したのが「熊本地震のあとに来るもの」という記事でした。猛暑と台風への注意を促したうえで、津波のことを書き添えています。
年内のうちに津波の被害が起こる気配を感じる。日本列島というより、もっと南の海ではないか。文章にしたのはそれだけです。場所も日付も特定できていませんでした。
それでも、南の海という一点は動きませんでした。フローレス島は日本の南、赤道のすぐ下にあります。
同じ記事で、私はもう一つ書いています。熊本からはまだ目が離せない、と。
能登のことが頭にありました。二〇二四年の元日に大きな地震が起き、そのあとも揺れが止まらず、翌年の秋には豪雨が重なった。復興の工事をしている最中に、次の災害がやってくる。あの形が熊本でも起こりうると感じていたのです。
そしてその熊本で、今度は山が動きはじめました。
フローレス島沖でM7.7、津波1メートルを観測|いま分かっていること
震源はフローレス島の北側の海、エンデから北北西へおよそ68キロの地点。深さは10キロと、かなり浅い。浅い海底で大きな地震が起きると、海水そのものが下から突き上げられます。津波が生まれやすい形です。
インドネシアの気象当局は直後に津波警報を発表し、フローレス島の周辺では高さ一メートルほどの津波が観測されました。
一メートルと聞いて、それくらいなら、と思う方がいるかもしれません。実際には、大人が足を踏ん張っても立っていられない水の壁になります。
余震も収まっていません。本震のあと三十分ほどのあいだに、マグニチュード5・9、5・6、6・1と有感の揺れが立て続けに起きました。倒れかけた建物にとどめを刺すのは、たいていこの二撃目です。
日本への津波の影響はありませんでした。ただ、太平洋という一つの水面でつながっている以上、遠い国の話として棚に上げてしまうのは惜しいと思います。
阿蘇山が噴火警戒レベル3の入山規制へ|対象は火口から2キロ
八月十四日の午後三時四十五分、気象庁が阿蘇山の噴火警戒レベルを2から3へ引き上げました。入山規制です。中岳第一火口からおおむね二キロの範囲が対象で、阿蘇市、南阿蘇村、高森町にかかります。
理由は二つあります。火山性微動の振幅が大きくなったこと。そして火山ガスの放出量が、一日あたり二千トンを超えて急に増えたこと。
八日前の観測では千二百トンでした。倍近くに跳ね上がっています。
七月の熊本地震と、この阿蘇山の活発化が、地下でどうつながっているのか。私は地震学者ではありませんから、そこを断定はできません。
それでも、同じ土地の下で、同じ時期に、二つのことが起きている。無関係だと考えるほうが、私にはむしろ不自然に思えます。
熊本や大分にお住まいの方は、揺れへの備えと、灰への備えを両方そろえておいてください。この二つは中身がまったく違います。
コロンビアでもマグニチュード7・4
八月十日には、南米のコロンビアで大きな地震が起きました。マグニチュード7・4。建物が数多く倒れ、非常事態が宣言されています。犠牲者の数は報じる社によって幅がありますが、百人を大きく超えているのは確かです。負傷者はさらに多い。
インドネシア、コロンビア、そして日本。地図の上では、ずいぶん離れて見えます。
けれども、この三つはどれも環太平洋の火山帯の縁にあります。地球の表面をつくる板と板が、押し合い、こすれ合っている継ぎ目です。
一枚の布のどこかを強く引けば、離れた場所のしわが動く。地殻というのは、そういう振る舞いをします。
七月の熊本、八月十日のコロンビア、八月十四日の阿蘇、そして八月十五日のフローレス島。三週間足らずのあいだに、これだけのことが起きました。
霊的に見ると、いま何が起きているのか
霊的に見ると、地球は物質のかたまりではなく、意識を持った一つの生命として立ち現れます。人が熱を出して体を立て直すように、地球にも、溜め込んだものを外へ出す時期があります。今がまさにその時期です。
人類が積み上げてきた争いや恐れ、地表にかけ続けてきた負荷。それらが地下のひずみと呼応している。私にはそう見えます。
地球は、溜まったものを吐き出して、自分を整えようとしています。整えるための動きが、地上に暮らす私たちには災害として現れる。ここに、この時期の苦しさがあります。
だからこそ、備えは地球への対抗手段ではありません。同じ生命の上で暮らす者として、揺れを受け止める姿勢をつくることです。
論語に、遠き慮り無ければ必ず近き憂い有り、という言葉があります。遠くを見て考えておかなければ、近いところで必ず心配ごとが起きる。
二千五百年前の中国で語られた一行が、今の私たちの手元にそのまま届きます。遠くを見るというのは、不安に飲まれることではありません。今のうちに手を動かしておく、という意味です。
予言は、当てるためではなく外すためにあります
八月七日には、震度7の夢を見たことを書きました。熊本と関東が気にかかる、と。あの記事に記したことを、もう一度ここに置いておきます。
私は予言を、進路を変えるためのハンドルだと考えています。書いた通りになってしまうのは、いちばん避けたい結末です。
今回、南の海の津波は現実になりました。手応えより、悔しさのほうがずっと強い。
だからこそお伝えします。これから一〜二か月は、特に地殻の動きに気を留めておいてください。
世界規模で見ても、地殻の活動が高まっている時期です。旅先や出張先が海沿いになる方は、宿の避難経路を到着した日に確かめておくだけで、いざというときの数十秒が変わります。
今日からできる五つの備え|地震・津波・火山灰にそなえる
- 寝室から背の高い家具と割れ物を出す。夜中に揺れても、裸足で逃げ道を歩けるようにしておく
- 水と食料を一週間分そろえる。停電を想定して、カセットコンロと電池、モバイルバッテリーも一緒に
- 家族の集合場所と、電話がつながらないときの連絡手段を決めておく。紙に書いて冷蔵庫に貼る
- 火山の周囲にお住まいの方は、防塵マスクとゴーグル、車のフロントガラスを洗う水を用意する
- 海のそばで揺れを感じたら、警報を待たずに高い場所へ向かうと先に決めておく。迷いをなくしておくと、体が勝手に動きます
玄関に靴をそろえ、水を一箱置き、家族と待ち合わせ場所を決める。それだけで、心はずいぶん落ち着くはずです。落ち着いた人が一人増えるほど、その家も、その町も強くなります。
大地が大きく身じろぎしている時代に生まれ合わせたことにも、意味があるはずです。揺れる場所でしか身につかない強さがあり、揺れる場所でしか結ばれない縁があります。
どれほど地面が動いても、人は隣にいる誰かの手を取ることができます。その力のほうが、地の底から来る力よりも確かです。
みなさんとご家族の上に、穏やかな日々が続きますように。心から祈っています。
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